研究課題
【目的】グリコーゲンシンターゼキナーゼ(GSK)3βは糖代謝の経路で発見されたセリン・スレオニンキナーゼで糖代謝をはじめ細胞周期、増殖・分化、アポトーシスなどを制御することが知られている。我々はGSK3βの膠芽腫の悪性形質への関与を報告してきた。今回、GSK3β阻害によるテモゾロミド(TMZ)に対する膠芽腫細胞の感受性増強作用とそのメカニズムを解析した。【方法と対象】4種類の膠芽腫細胞株(T98G, U138, U251, U87)を用いてGSK3βの特異的小分子阻害剤(AR-A014418)およびsmall interfering RNA (siRNA)によるTMZ感受性増強効果を増殖アッセイによって調べた。MGMT promoterのメチル化の変化観察のためにMSP, メチル化の定量のためにMethyLight assay, MGMT発現量の定量のために定量的RT-PCR, MGMT promoterに結合する分子を同定するためにChromatin immunoprecipitation (ChIP) assayを行った。【結果】膠芽腫細胞株においてテモゾロミドとAR-A014418の併用は相加的、相乗的な細胞増殖抑制効果を示した。AR-A014418によりMGMT promoterのメチル化は促進しMGMTの発現は抑えられた。そのメカニズムとしてc-MycがMGMT promoterに結合しDANメチル化酵素DNA (cytosine-5-)-methyltransferase 3 alpha (DNMT3A)がリクルートされることが明らかとなった。【結論】GSK3β阻害によるTMZ感受性増強作用の分子機構が明らかとなり、GSK3β阻害療法の正当性を支持する科学的基盤を得た。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件)
J Neurooncol
巻: 未定 ページ: 未定
10.1007/s11060-014-1418-1
Brain Tumor Pahol
10.1007/s10014-013-0174-9
Brain Tumor Pathol
10.1007/s10014-013-0172-y
BBRC
巻: 444 ページ: 13-18
10.1016/j.bbrc.2013.12.138
巻: 31 ページ: 32-39
10.1007/s10014-013-0142-4
Neuro-Oncology
巻: 15 ページ: 1710-1720
10.1093/neuonc/not128
Carcinogenesis
巻: 34 ページ: 2206-2217
10.1093/carcin/bgt182
Br J Cancer
巻: 108 ページ: 2516-2524
10.1007/978-94-007-4719-7_8
http://neurosurgery.w3.kanazawa-u.ac.jp/