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2011 年度 実施状況報告書

下垂体幹細胞からホルモン分泌細胞への分化誘導法の開発と下垂体再生医療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23592121
研究機関京都大学

研究代表者

北条 雅人  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60372588)

研究分担者 影山 龍一郎  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80224369)
宮本 享  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70239440)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード下垂体 / 再生医療 / ES細胞 / Notch-Hes / Hes1 / Hes5
研究概要

申請者らは、これまでに、下垂体の発生においてNotch-Hes経路が幹細胞の分化を制御していることを証明し報告してきた。一方、下垂体機能低下症が特定疾患に指定され、下垂体の再生医療開発への期待は高まっているが、これに関する研究報告はほとんどなされていない。本研究では、引き続き下垂体における幹細胞の制御機構の解析を続け、さらに胚性幹細胞(ES細胞)あるいはiPS細胞から下垂体ホルモン産生細胞への分化誘導法を確立することを目的とする。さらに、移植治療を念頭において、骨髄間葉系幹細胞から下垂体ホルモン産生細胞への分化誘導法を開発することが最終的な研究目的である。 今年度では、ノックアウトマウスを用いた研究として、Nestin-Creマウスを使用し、神経性下垂体(下垂体後葉)を中心としたコンディショナルノックアウマウスを作成した。具体的には、Nestin-Creマウス、Floxed Hes1マウス、Hes5ノックアウトマウスを交配し、視床下部特異的にコンディショナルノックアウトマウスを作成した。今年度、本ノックアウトマウスが完成し、胎児を得ることができた。この胎児の解析は、未施行である。今後、この胎児の下垂体を解析していく予定である。 さらに、今年度、マウスES細胞、iPS細胞、骨髄間葉系幹細胞を用いた研究として、マウスES細胞、iPS細胞を用いて下垂体誘導実験を行う準備を整えた。具体的には、マウスES細胞、iPS細胞を維持し、分化誘導するための予備実験を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究計画のち、Nestin-Creマウスを使用した神経性下垂体(下垂体後葉)を中心としたコンディショナルノックアウトマウスの作成が、最も時間がかかり、困難と考えられていた。今年度、このマウスが順調に作成でき、胎児を得ることができた。このことは、もっとも大きな進歩と考えられ、来年度以降の解析を順調に行う準備が整でることができた。 さらに、今年度、マウスES細胞、iPS細胞を用いた研究体制も整え、来年度に研究をさらに進める準備が整った。 このため、今年度の研究進行状況としては、おおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

ノックアウトマウスを用いた解析としては、初年度に作成したNestin-Creマウスを用いた系で後葉に焦点をあわせた解析を行う。これらのマウスのE12.5、E14.5、E17.5の胎児の下垂体の解析を行う。各前葉ホルモンマーカー、PC2(中葉のマーカー)、Ki67などの抗体での免疫染色、BrdUの取り込み実験、pulse chase assay、TUNEL法等で解析する。さらに、Hes1の下流因子のNeuroD, Mash1, Math3の発現をin situ hybridization法にて解析する。 Hes1の下流因子のNeuroD、Mash1、Math3も下垂体に発現していることが知られている。NeuroDおよびMash1ノックアウトマウスもすでに解析可能な状態である。これらも神経系同様に互いに相補的に作用していることが予想されるため、かけあわせによってダブルノックアウト、トリプルノックアウトマウスを作成し、E12.5、E14.5、E17.5の胎児の下垂体の解析を行う予定である。各前葉ホルモンマーカー、Ki67などの抗体での免疫染色、BrdUの取り込み実験、TUNEL法等で解析する。 ES細胞を用いた研究としてはHes遺伝子群を一時的にES細胞に強制発現させ、下垂体前駆細胞への分化誘導を図る。すでに、Hes1、Hes5、Hesr1発現プラスミドは作成できている。このプラスミドを分化開始したES細胞にトランスフェクションする。これによって、Hes1、Hes5、Hesr1を一時的に強制発現させ、分化誘導を図る。さらに、FACSでのソーティングによって分化の効率化を図る。

次年度の研究費の使用計画

今年度の研究費のうち、次年度使用額が発生した。この理由として、当初、今年度にマウス骨髄間葉系幹細胞を用いた実験準備も整える予定であったが、ES細胞を用いた実験に時間を大幅にさいたため、マウス骨髄間葉系幹細胞の準備が遅れたためと考えられる。次年度は、マウス骨髄間葉系幹細胞を用いた系の準備も行う予定であり、これに対して、次年度使用額を使用する予定である。 次年度は、引き続きコンディショナルノックアウトマウスの解析のために、研究費が必要となる。これに関する費用は、ノックアアウトマウス維持費、抗体などの試薬類である。また、さらに、ES細胞に関しての研究で、予定している研究費の半分以上が必要と考えている。具体的には、ES細胞およびiPS細胞を培養し、分化誘導するための試薬類、BMP4、FGF8、FGF10、Wnt5aなどの因子を購入する費用である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] bHLH 型転写因子による下垂体分化発生機構の解析 ~下垂体前葉前駆細胞の分化制御機構の解明をめざして~

    • 著者名/発表者名
      安藤充重、北条雅人、影山龍一郎、宮本 享ら
    • 学会等名
      第22回 間脳下垂体腫瘍学会
    • 発表場所
      東京ステーションコンファレンス(東京都)
    • 年月日
      平成24年2月24日

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公開日: 2013-07-10  

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