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2013 年度 実施状況報告書

下垂体幹細胞からホルモン分泌細胞への分化誘導法の開発と下垂体再生医療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23592121
研究機関京都大学

研究代表者

北条 雅人  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (60372588)

研究分担者 影山 龍一郎  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80224369)
宮本 享  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70239440)
キーワード下垂体 / 再生医療 / Notch-Hes / Hes1 / Hes5 / Math3 / NeuroD / Mash1
研究概要

申請者らは、下垂体の発生においてNotch-Hes経路が幹細胞の分化を制御していることを証明し報告してきた。下垂体機能低下症が特定疾患に指定され、下垂体の再生医療開発への期待は高まっている。本研究では、引き続き下垂体における幹細胞の制御機構の解析を続け、さらに胚性幹細胞(ES細胞)あるいはiPS細胞から下垂体ホルモン産生細胞への分化誘導法を確立することを目的とする。さらに、移植治療を念頭において、骨髄間葉系幹細胞から下垂体ホルモン産生細胞への分化誘導法を開発することが最終的な研究目的である。
昨年度までに、nestin-Creマウスを使用し、神経性下垂体(下垂体後葉)を中心としたコンディショナルノックアウマウスを作成し、解析した。具体的には、nestin-Creマウス、floxed Hes1マウス、Hes5ノックアウトマウスを交配し、視床下部特異的にコンディショナルノックアウトマウスを作成し、これの胎児下垂体を解析した。また、Hesの下流因子であるNeuroD, Mash1, Math3の各組み合わせでのダブルノックアウトマウス、およびトリプルノックアウトマウスを作成した。これらのマウスの胎児の下垂体を解析した。今年度から、これらの胎児の下垂体をさらに解析していく予定である。
さらに、今年度、幹細胞を用いた研究として、マウス骨髄間葉系幹細胞からの分化実験の環境を整え、分化誘導を開始する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究計画のち、Nestin-Creマウスを使用した神経性下垂体(下垂体後葉)を中心としたコンディショナルノックアウトマウスの作成および、Hes1の下流因子のNeuroD, Mash1, Math3のトリプルノックアウトマウスの作成が、最も時間がかかり、困難と考えられていた。昨年度、このマウスが順調に作成でき、胎児を得ることができた。今年度は、その下垂体の解析を行なった。
さらに、今年度、ノックアウトマウスの胎児下垂体を初期培養する系を確立した。続いて、マウスES細胞を用いた研究を開始することができた。
このため、今年度の研究進行状況としては、おおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

ノックアウトマウスを用いた解析としては、以下のとおりである。
1)Nestin-Creマウスを用いた系で後葉に焦点をあわせた解析。これらのマウスのE12.5、E14.5、E17.5の胎児の下垂体の解析を行う。各前葉ホルモンマーカー、PC2(中葉のマーカー)、Ki67などの抗体での免疫染色、BrdUの取り込み実験、pulse chase assay、TUNEL法等で解析する。
2)Hes1の下流因子のNeuroD、Mash1、Math3に焦点をあわせた解析。かけあわせによってダブルノックアウト、トリプルノックアウトマウスを作成した。これらのノックアウトマウスのE12.5、E14.5、E17.5の胎児の下垂体の解析を行う予定である。各前葉ホルモンマーカー、Ki67などの抗体での免疫染色、BrdUの取り込み実験、TUNEL法等で解析する。さらに、ノックアウトマウスの胎児下垂体を初期培養し、解析の予定である。移植実験も行なう予定である。
ES細胞、骨髄間葉系幹細胞を用いた研究としてはHes遺伝子群を一時的にES細胞、骨髄間葉系幹細胞に強制発現させ、下垂体前駆細胞への分化誘導を図る。さらに、FACSでのソーティングによって分化の効率化を図る予定である。

次年度の研究費の使用計画

今年度の研究費のうち、次年度使用額が発生した。この理由としては以下のとおりである。
当初、今年度にマウス骨髄間葉系幹細胞を用いた実験も進める予定であったが、ノックアウトマウスを用いた実験に時間を大幅にさいたため、マウス骨髄間葉系幹細胞の実験が遅れたためと考えられる。次年度は、マウス骨髄間葉系幹細胞を用いた系の研究も引き続き行う予定であり、これに対して、次年度使用額を使用する予定である。
次年度は、引き続きコンディショナルノックアウトマウスの解析のために、研究費が必要となる。これに関する費用は、ノックアウトマウス維持費、抗体などの試薬類である。また、さらに、幹細胞に関しての研究で、予定している研究費の半分以上が必要と考えている。具体的には、マウス骨髄間葉系幹細胞を培養し、分化誘導するための試薬類を購入する費用である。

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公開日: 2015-05-28  

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