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2011 年度 実施状況報告書

血中循環がん細胞を用いた脳転移におけるがん微小環境の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23592133
研究機関長崎大学

研究代表者

田中 邦彦  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80380955)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード血中循環がん細胞 / 脳転移 / がん微小環境
研究概要

高脳転移細胞株を樹立するために、脳転移が報告されているヒト肺癌細胞株及びヒト乳癌細胞株をそれぞれ1種ずつ選択し、pAcGFP1-N1 ベクターをトランスフェクション、抗生物質によるセレクションをかけ、GFP高発現癌細胞株を樹立した。これらを免疫不全マウスに同所移植し脳転移の形成を観察したが、どちらも転移形成を認めなかった。最適化の検討を行ったが、転移形成は認められなかった。in vivoイメージングにて各臓器への転移を観察している高崎健康福祉大学の村上孝教授より、同手法にて脳転移が確認されたヒト肺癌細胞株を2種ご提供いただき、GFP高発現癌細胞株を樹立した。現在、これらの細胞株を用いて2回目のin vivo セレクションを実施している。 In vivo セレクションを最低3回行う予定のため、血中循環癌細胞の脳転移能とがん微小環境との相互作用の解析に用いる血液脳関門再構成キット(BBB キット)の最適化を、セレクションの間に行った。我々が以前開発したBBB キットは、invasion assay などに頻用される8ミクロンポアでは脳毛細血管内皮細胞が通過してしまい十分なタイトジャンクション形成ができなかったため、3 ミクロンポアのメンブレンを用いている。しかし、メンブレンポアサイズと癌細胞への負荷を比較検討したところ、0.4 ミクロンポアでは癌細胞は通過できず、3ミクロン以上のポアメンブレンでは癌細胞は通過可能であるが、5ミクロン以上のポアメンブレンと異なり、3ミクロンポアでは癌細胞に傷害を与え一部の癌細胞がアポトーシスに陥ることが明らかとなった。そこで、キットの作成方法を改良することにより、8 ミクロンのポアメンブレンを用いても、メンブレン上面の脳毛細血管内皮細胞がポアを通過することなく、十分なタイトジャンクションを形成した新たなBBB キットの作成に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

GFP 発現高脳転移癌細胞株の樹立が最初に使用した癌細胞株では行うことができず、他施設より提供いただいた癌細胞株を用いてやり直しているため、当初予定していた今年度のマイクロアレイ解析まで到達しなかった。しかし、現在in vivo セレクションの段階まで行っているため、やや遅れていると評価した。

今後の研究の推進方策

平成24年度は、in vivo セレクションを最低3回行ってGFP 発現高脳転移癌細胞株を樹立し、23年度予定であったマイクロアレイ解析を行う。それと並行して、血中循環がん細胞の解析及び脳転移におけるがん微小環境との相互作用の解析を予定通り行う。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度より繰り越された研究費をマイクロアレイ解析に使用し、平成24年度配分が予定されている研究費については、消耗品費(80万円)および旅費(10万円)として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] BBBキットを用いた脳転移形式の評価2012

    • 著者名/発表者名
      田中邦彦
    • 学会等名
      第85回日本薬理学会年会(一般口演)
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      2012年3月16日

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公開日: 2013-07-10  

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