マクロファージは局在する組織で多様化する特徴を持つ。腫瘍組織では増殖や転移、腫瘍免疫回避に働くと考えられている。これまでに葉酸受容体β(FRβ)は、悪性度の高い脳腫瘍に局在するマクロファージで高発現する事を報告してきた。本研究では、抗がん免疫(ワクチン等)が生じ難い動物モデル(F98細胞移植ラットモデル)に抗FRβ抗体トキシンを投与し、FRβマクロファージ除去によるワクチン増強効果を検討した。その結果、抗体トキシンによる免疫原性はワクチン効果の減弱化に関与する可能性が示唆された。この問題を解決するために新たに抗体トキシンを設計・作製し、動物モデルで有効性(免疫原性)の検討を行った。
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