神経膠芽腫の標準治療薬はテモゾロミドなどに限られており新規治療を開発する必要がある。脳は血液脳関門の存在のため、薬剤が脳腫瘍に到達しがたいため、中枢神経に作用する薬の中から治療薬を探索した。われわれは、Histone Deacetylase inhibitor(以下HDAC阻害薬)作用をもつ抗てんかん薬バルプロ酸の膠芽腫に対する免疫増強作用をin vitroで確認した。 さらにバルプロ酸のテモゾロミド耐性にかかわるO6-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ(以下MGMT)に影響をわれわれは検討したが、プロモータ領域へのメチル化への影響は認められず耐性化しないという結果であった。
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