研究課題
脳深部刺激によるジストニアの治療において、従来のAC-PC中点から2mm前方を基準とする場所が最も至適部位であるかどうかは解明されていなかった。本研究により少なくとも上記より前方の淡蒼球内節では臨床効果は不十分であり、むしろAC-PCの中点レベルまで後方かつやや外側の部位が有用であること、また視索直上よりも視索外側縁上方をtentative targetとして選択すべきであることがわかった。体幹や頚部のジストニアに対しては淡蒼球が選択されるべきであるが、四肢末端の症状に対してはしばしば淡蒼球手術の効果は不十分であり、視床Vo核を選択すべきであることもわかってきた。従来はansa lenticularisが淡蒼球より出て行く部位が至適と考えられていたが、むしろ淡蒼球から視床へ投射するlenticular fasciculusの系がジストニアの脳深部刺激にはより深く関わっていると考えると上記の結果と合致する、lenticular fasciculusの淡蒼球内起始部がansa lenticularisとどのような関係があるか、それぞれの役割をさらに明確にする必要があると考えられる。このような知見から今後さらに、オーダーメイド型高度DBS治療戦略として確立し、より安定した効果の治療を社会に還元することを今後も目指ていきたい。一方でDBSの治療効果はジストニアでは長期にわたり安定しており、このため機器に関係する合併症がもっとも大きな解決されるべき課題である。この点で近年の最新機器・技術を用いた凝固術も見直すべき時期に来ている。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件) 図書 (2件)
AANS Neurosurgeons
巻: 23 ページ: 1-3
Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry
巻: 85 ページ: 1003
10.1136/jnnp-2013-306580
神経内科
巻: 80 ページ: 536-540
Frontiers in Parkinson Disease
巻: 7 ページ: 142-145