脳深部刺激によるジストニアの治療において、従来のターゲットが最も至適部位であるかは解明されていなかった。本研究により少なくとも上記より前方の淡蒼球内節では臨床効果は不十分であり、むしろAC-PCの中点レベルまで後方かつ外側の部位が有用であること、また視索直上よりも視索外側縁上方を選択すべきであることがわかった。四肢末端の症状には淡蒼球手術の効果は不十分であり、視床Vo核を選択すべきであることもわかった。従来はansa lenticularisが淡蒼球より出て行く部位が至適と考えられていたが、むしろ淡蒼球から視床へ投射する系がジストニアの脳深部刺激にはより深く関わっていると考えられる。
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