研究課題/領域番号 |
23592145
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
古瀬 元雅 大阪医科大学, 医学部, 助教 (70340560)
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研究分担者 |
川端 信司 大阪医科大学, 医学部, 講師 (20340549)
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キーワード | radiation necrosis / bevacizumab / PET |
研究概要 |
放射線壊死の臨床検体による放射線壊死の病態解明については、VEGF,HIF-1aのほかにCXCL12, CXCR4の関与、炎症のサイトカインであるIL-1a, IL-6, TNF-aの関与を確認し、reactive astrocyteとmicrogliaが主体を担うことが解明できた。現在、論文作成し、投稿段階に入っている。平成25年度中の論文のacceptを目指す。また、25年度はさらなる血管新生の分子として血小板由来成長因子(PDGF)の染色を行う予定である。 放射線壊死の動物モデルの作成が予定より難航している。放射線壊死は作成できたが、安定して同じ病態を作成することができなかった。平成25年度は、新たな放射線照射装置を用いて、安定した放射線壊死モデル作成を目指す。 放射線壊死に対する新規診断と治療としてのベバシズマブを用いた治療に関する臨床データの解析は終了し、論文が本年1月にjapanese journal of clinical oncologyにacceptされた(Furuse M et al. Bevacizumab treatment for symptomatic radiation necrosis diagnosed by amino acid PET. Jpn J Clin Oncol 43(3): 337-341, 2013)。平成25年度は引き続き放射線壊死のPETの画像解析とベバシズマブ治療症例の蓄積を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床検体を用いた放射線壊死の病態解明および放射線壊死に対する新規診断と治療のデータ解析は順調に進展している。前者は論文を完成し投稿段階に入っており、後者はすでに論文掲載がなされた。 動物実験による放射線壊死のモデル作成および新規治療の開発がモデルの作成に難渋し、安定したモデル作成に至っていないのが現状である。
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今後の研究の推進方策 |
放射線壊死の動物モデルの作成が予定より難航している。放射線壊死は作成できたが、安定して同じ病態を作成することができなかった。平成25年度は、新たな放射線照射装置を用いて、安定した放射線壊死モデル作成を目指す。今回使用する放射線照射装置は大阪府立大学獣医臨床センターにある動物照射用を用いる。8週のオスのWister ratを40Gy, 50Gy, 60Gyの3群に分け1か月~6か月の間にsacrificeして、照射後の反応を組織学的に検討する。同時に放射線壊死モデル作成に関しては、長崎国際大学薬学科との共同研究についても相談していく予定である。安定したモデルが作成できれば、新治療薬として抗PDGF抗体を用いた治療実験を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度未使用額を含め、主に予定よりモデルの作成が遅れている動物実験に関係する費用に用いる。ラット、免疫染色、移動にかかる交通費などの諸費用が主である。 引き続き、結果報告および情報収集のため、脳腫瘍に纏わる国内外の学会の出張費用に一部使用する。
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