ABCG2によるポルフィリンの細胞外輸送をグリオーマ細胞株で証明し、チロシンキナーゼ阻害剤のGefitinibがABCG2を阻害することで細胞内ポルフィリンの上昇と5-ALAによる光線力学治療効果の増強を示した。 本研究によりABCG2阻害による光線力学治療の効率が上がることが理論的およびin vitro研究により示された。更に、gefitinib以外の高効率なABCG2阻害剤においても、PDT効果が増強されることを示した。 本研究では、腫瘍幹細胞の性質を獲得し、化学療法および放射線療法に対して治療抵抗性を有する細胞株A172腫瘍幹細胞様細胞において、5-ALA PDTではむしろ治療感受性が有り、更にはABCG2阻害により治療効果が増強されることを見出した。この様な特質は、5-ALA光線力学治療とABCG2阻害薬との併用が腫瘍幹細胞をターゲットとした治療法となりうることを示唆している。今後、多くの腫瘍細胞株での確認、in vivo実験系での確認を行う予定である。
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