研究課題/領域番号 |
23592149
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
山下 洋二 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (30420045)
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研究分担者 |
島 礼 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 部長 (10196462)
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キーワード | グリオーマ / 解糖系 / ワールブルグ効果 / PKM / スプライシング |
研究概要 |
グリオーマにおける解糖系異常亢進(ワールブルグ効果)に密接に関与する、解糖系酵素ピルビン酸キナーゼM(PKM)の酵素型変換(PKMスイッチ)と、その原因たるスプライシング異常を採り上げ、グリオーマの新規診断・治療標的として開発することを目的として、研究に取り組んだ。本年度の成果としては; (1)人工グリオーマ幹細胞作製に向けて、マウス成体脳脳室下帯より、神経幹細胞の単離・樹立を行った。Sphere培養においてレンチウイルス感染実験を行ったものの、十分な感染効率が得られたかったため、佐谷らが開発した、接着培養法を用い、現在感染条件等について検討を続けている。 (2)グリオーマにおけるPKMスプライシング異常に関わる遺伝子・因子の探索、および、異常解消効果をもつ低分子化合物スクリーニングへの応用を目的として、PKMのスプライシング変換を、蛍光によって、生細胞可視化できるレポーター遺伝子を作製した。プラスミドベクター上にて作製したこのレポーターコンストラクトを、次いで、BACコンストラクトへと組み込み、PKMスイッチ可視化レポーターBACクローンを作製した。このBACコンストラクトを用い、グリオーマ細胞株を含む複数の細胞株において、可視化レポーター遺伝子を染色体に安定的に組み込んだ細胞の樹立を試みた。その結果、グリオーマ株由来の可視化細胞を取得することは出来なかったものの、いくつかの他細胞株で、PKMスイッチ可視化系を染色体に組み込んだ細胞を樹立することができた。それらを用い、可視化レポーター遺伝子の動作確認を行い、概ね良好な結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分子標的候補の探索で十分に行えなかった点や、解析機器の導入遅れが生じたものの、その他の点で、ほぼ計画通り、あるいは当初の計画以上に進展した箇所もあり、区分「2」とする。
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今後の研究の推進方策 |
分子標的候補の探索に用いるスクリーニング系開発に取り組みつつ、おおむね当初計画に沿って研究を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
納入が遅れていた解析装置の支払に充てられるほかは、ほぼ、当初の計画通りの予定である。
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