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2011 年度 実施状況報告書

脊柱靱帯骨化症における脊柱靱帯および皮膚由来細胞の骨化機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23592152
研究機関弘前大学

研究代表者

沼沢 拓也  弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80396407)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード幹細胞 / 靱帯 / 皮膚 / 異所性骨化
研究概要

平成23年度は頚椎後縦靭帯骨化症患者、頚椎症性脊髄症患者、さらに胸椎黄色靭帯骨化症患者より手術時に黄色靱帯並びに皮膚を採取し、骨化誘導培地により靱帯細胞ならびに皮膚細胞の培養実験を行った。培養では靱帯細胞並びに皮膚細胞の両者において、ともに線維芽細胞様細胞の増殖を認めた。後縦靱帯骨化症患者では培養細胞の増殖能が高いことを確認し、またreal time定量PCRにより骨化関連遺伝子マーカーであるアルカリフォスファターゼやオステオポンチンの発現量が、頚椎後縦靱帯骨化症患者では頚椎症性脊髄症より靱帯および皮膚のどちらの細胞でも優位に高いことが判明した。さらに間葉系幹細胞の存在を突き止めるために幹細胞培養を行い、Alizarin Red染色、Oil Red O 染色、Toruidine Blue染色を行い、骨、脂肪、軟骨細胞へ分化しうることを確認した。さらにフローサイトメトリーでCD73,CD90,CD105が陽性であることを確認し、靱帯細胞での間葉系幹細胞の存在を同定した。現在二重免疫蛍光染色により間葉系幹細胞の局在を同定中であり、また皮膚細胞についても靱帯細胞と同様に間葉系幹細胞の存在を確認中である。患者遺伝子サンプルについては、60歳未満の頚椎後縦靱帯骨化症のうち、2椎体以上に連続して骨化が認められた連続型症例の血液サンプルを収集中であり、すでに20例からDNAを抽出した。また患者データのうちXpおよびCTを用いた画像と血液生化学データと遺伝子型との関連について現在解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成23年度は分子生物学的研究では、患者サンプルの収集と培養系の確立を目指し、靱帯細胞と皮膚細胞の骨化誘導培地における培養系を確立することができた。また靱帯細胞においては間葉系幹細胞の存在を証することができた。遺伝子学的研究では、患者遺伝子サンプルの収集と遺伝子抽出までは行うことが出来たが、解析については患者検体収集に時間を要し、SNP解析を行うところまでには至っていない。

今後の研究の推進方策

分子生物学的研究では、靱帯細胞および皮膚細胞の培養細胞における骨化関連遺伝子の発現をさらに比較し、その特徴を明らかにする。また両細胞における間葉系幹細胞の局在を明らかにし、異所性骨化との関連性をみつけだしていく。遺伝子研究については、過去に報告されている骨化関連遺伝子でのSNPを用いた遺伝子多型解析を行う。また画像上の骨化形態との関連性についても検討を行う

次年度の研究費の使用計画

間葉系幹細胞の抗体染色および遺伝子のSNP解析に関わる材料費用におおむね使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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