研究概要 |
(研究3-2)シュワン細胞の増殖およびphenotype変化についての検討 を行った 坐骨神経両断端伸長モデルを用い、伸長開始後5,10,15日目に標本を作製、免疫染色による評価(S100, PCNA, GFAP, NF)を行った 神経伸長群では近位断端でPCNA陽性 S100陽性のシュワン細胞が多数観察され、遠位断端ではGFAP陽性、S100陽性細胞が観察された またシュワン細胞の分裂が王政である部分を検討したところ、近位断端より2-3mmの部分であった 牽引刺激によるシュワン細胞の分裂促進効果を証明した また遠位断端のシュワン細胞のphenotypeはいわゆるimmature/denervated stateにあることがわかった。脱分化したシュワン細胞が神経再生促進効果を発揮していると考えられた 本研究では、陳旧性の末梢神経欠損に対しても末梢神経緩徐伸長法が適用可能であることが示された。新鮮損傷と同様に神経伸長刺激により両断端で神経再生促進効果があることも示された。このことは臨床応用に際して重要な結果である。また、本研究ではこれまで検討されてこなかった近位断端の先端部分での細胞動態を検討し、同部で Schwann細胞や他の細胞の増殖がみられることを確認した。この部分は逆行性Waller変性部ではないかと考えられ、この逆行性Waller変性部は本法における神経の再生を伴う伸長の機序の解明の要所ではないかと考える。
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