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2012 年度 実施状況報告書

椎間板のアンチエイジングを具現し得る新しい生物学的治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592162
研究機関岐阜大学

研究代表者

宮本 敬  岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20313885)

研究分担者 清水 克時  岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90170969)
キーワード椎間板 / アンチエイジング / 変性 / 炎症 / サイトカイン / カルパイン / 脊椎 / 3次元培養
研究概要

本研究においては椎間板のアンチエイジングを可能とする治療を探索する目的にて,ウシ尾椎より採取した椎間板細胞の3次元培養系を用い,炎症性サイトカイン(インターロイキン)を培養液に添加する手法にて実験を行った.椎間板細胞の3次元培養系において,インターロイキンの添加は,カルパインおよびADAMTS,MMP1,MMP3,NO,PGE2等の炎症性マーカーの培養液中への遊出を助長し,かつ,細胞外マトリックス蓄積を抑制した.これは椎間板老化モデルとして有用であると思われた.椎間板の変性抑制,すなわち,椎間板に対するアンチエイジング効果を及ぼす要素として,各種非ステロイド性抗炎症薬を2種(インドメサシン,セレコキシブ)を用いた.両薬剤ともに生体使用をシミュレートした濃度において,細胞活性(細胞数,生存細胞率)には大きな影響を与えない一方,インターロイキン添付状態において,非ステロイド性抗炎症薬を併せて添加した場合,炎症状態でみられた所見であるADAMTS,MMP1,MMP3,NO,PGE2等の培養液中への遊出,細胞外マトリックス蓄積の現象等が若干緩和される所見であった.また,カルパインの培養液中への遊出も非ステロイド性抗炎症薬によって抑制される結果であった.また,胸椎,胸椎腰椎移行部において椎間板変性の存在する部分に存在する黄色靭帯骨化,後縦靭帯骨化におけるカルパインの発現についても検討をはじめた.脊椎における軟部組織におけるカルパインの分布,局在,意義等についての検討をさらに深めて行う予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

in vitroでの椎間板老化モデルにおいて椎間板変性を抑制する要素として,まずは入手が比較的容易である非ステロイド性抗炎症薬を2種(インドメサシン,セレコキシブ)を用いている.本来の目的であるカルパインのインヒビターについて,まだ安定した製剤が完成しておらず,その完成を待って次の実験系にすすめていきたい.

今後の研究の推進方策

in vitroでの椎間板老化モデルにおいて用いるカルパインのインヒビターについて,できるだけ早期に安定した製剤が作成,入手し,次の実験系にすすめていきたい.可能であれば,ヒト椎間板を用いた実験系,また,家兎等を用いたin vivo研究を行っていきたい.また,脊椎前方の軟部支持組織である椎間板に加えて,後方よりの軟部支持組織である後縦靭帯,黄色靭帯の骨化におけるカルパインの役割についても検討を加える予定である.

次年度の研究費の使用計画

in vitroでの椎間板老化モデルにおいて用いるカルパインのインヒビターについて,できるだけ早期に安定した製剤が作成,入手し,次の実験系にすすめていきたい.可能であれば,ヒト椎間板を用いた実験系,また,家兎等を用いたin vivo研究を行っていきたい.椎間板におけるカルパイン発現の他に,後縦靭帯骨化,黄色靭帯骨化におけるカルパインの発現(局在も含めて)および骨化生育の過程における発現の差等についても検討をかさね,椎間板変性への関与と併せて検討を行う予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ヒト椎間板変性におけるカルパインの役割2013

    • 著者名/発表者名
      福田章二,宮本敬ら
    • 学会等名
      第42日本脊椎脊髄病学会
    • 発表場所
      沖縄
    • 年月日
      20130425-20130427
  • [学会発表] ヒト椎間板変性におけるカルパインのかかわり2012

    • 著者名/発表者名
      福田章二,宮本敬ら
    • 学会等名
      第27回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      20121026-20121027

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公開日: 2014-07-24  

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