研究課題/領域番号 |
23592164
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
米澤 朋子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30304299)
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研究分担者 |
二宮 善文 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70126241)
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キーワード | 脊髄損傷 |
研究概要 |
脊髄損傷では損傷によって二次的に損傷領域が拡大し、神経組織に悪影響を及ぼす現象が知られている。我々は二次損傷においてα1インテグリンが一過性に発現していることを見出しており、着目した。本研究では損傷脊髄において炎症性サイトカインや組織の修復因子の発現の誘導に関与する可能性を追求する。前年度に引き続き、損傷脊髄におけるインテグリンを介した反応の重要性について個体レベルで明らかにするために、α1インテグリンのノックアウトマウス(KO)を用いて検証した。KOと同様の損傷を与えた野生型(WT)を対象とした。すでに確立した脊髄損傷モデルの作製方法を用いる計画であったが、脊髄損傷後の下肢機能の回復の評価におけるデータのばらつきが非常に顕著であったため、モデルの作製方法の改良を行った。改良後、WTとKOを用いてモデルを作製し、機能回復の評価を行った。また、機能回復の評価項目を追加して再検討を行った。さらに、損傷後、継時的に損傷脊髄を採取し、免疫組織染色法を用いて、α1インテグリンの分布について継時的な変化、及び発現細胞に関する解析を行った。また、損傷後、継時的に損傷脊髄を採取し、mRNAを抽出した。α1インテグリンは膜たんぱく質であるため、免疫組織染色による発現細胞の同定が可能であると考えられる。シグナル解析には脊髄損傷時における発現細胞の同定は必須であり、得られた結果はシグナル解析の基盤となった。25年度にはこれまでの成果を踏まえて、損傷脊髄におけるα1インテグリンの役割について分子レベルでの解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に行ったマウスモデルの作製方法の改良によって、より精度の高い解析が可能となった。今年度はさらに評価項目の追加も行い、解析を行った。また損傷脊髄におけるα1インテグリンの分布や発現細胞の同定について十分な成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
24年度の成果を踏まえ、計画を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初、24年度にはインテグリンのシグナルの解析についても計画していたが、発現細胞に関する解析を行う必要性が生じたため、シグナルの解析には遅れが生じた。しかし、このことは発現細胞の同定がシグナル解析の基礎となるため有意義であったと考えている。25年度には当初の計画に加え、シグナルの解析を行う予定である。繰り越した研究費とともに25年度配分の研究費を使用する計画である。
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