研究課題/領域番号 |
23592165
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 信弘 広島大学, 病院(医), 助教 (20363062)
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研究分担者 |
越智 光夫 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 教授 (70177244)
中西 一義 広島大学, 病院(医), 病院助教 (60403557)
亀井 直輔 広島大学, 病院(医), 病院助教 (70444685)
中前 稔生 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 寄附講座助教 (40595758)
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キーワード | 脊髄損傷 / 神経幹細胞 / 脊髄再生 / 磁気ターゲティング |
研究概要 |
本研究の目的は、磁気ターゲティングを利用した脊髄損傷に対する新たな治療方法を開発することである。損傷脊髄に対する細胞移植方法については、報告される実験の多くは注射針などを用いて脊髄損傷部に細胞を直接注入する局所投与が多い。しかし実際の臨床応用を念頭に置くと、すでに易損性のある損傷脊髄に対して更なる障害を与えかねない。全身的経静脈的投与あるいはくも膜下腔投与なども提唱されているが、局所投与と比較すると細胞自体の損傷部位への誘導効果に期待するのみであるため移植効率の低さは否めない。脊髄損傷の再生には、細胞移植による作用機序の解明とともに安全で効率的な移植方法の開発も重要な課題である。我々の施設では、細胞を磁気で誘導・集積させる磁気ターゲティング法で細胞移植による効果を有効に引き出す研究を、軟骨、腫瘍などに対して行ってきた。 当該年度に実施した研究の成果として、神経幹細胞・磁気ビーズ複合体および骨髄間葉系細胞・磁気ビーズ複合体の樹立、ならびに脊髄損傷モデル作成および骨髄間葉系細胞・磁気ビーズ複合体の投与を行った。胎生14日のgreen fluorescent protein transgenic Sprague-Dawley rat (GFPラット)より採取した後約2週間浮遊培養した細胞集塊(neurosphear)を神経幹細胞として使用し、磁気ビーズ(フェリスフェア100®)を活性化させRGDSペプチドを癒合させ標識し神経幹細胞・磁気ビーズ複合体を作成した。また同様に磁気ビーズにより標識した骨髄間葉系細胞・磁気ビーズ複合体も作成した。脊髄損傷再生を図る研究として、ラット脊髄損傷モデルを用いて骨髄間葉系細胞・磁気ビーズ複合体を投与し,磁場を用いることにより脊髄損傷部位に移植細胞を集積させることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
脊髄損傷モデルに対する磁気ターゲティングモデルの構築が予定に比べ遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は臨床における脊髄脊椎損傷治療に応用すべく、固定材料に磁性体を埋め込み、磁性化した神経幹細胞を移植することで脊髄損傷を再生することを目的とする。損傷部位周囲の脊椎に導入した磁性体により、損傷部位への効率的な細胞集積を図り脊髄再生を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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