• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

BDNF遺伝子を過剰発現させた自家マクロファージ硬膜内注入による脊髄損傷の治療

研究課題

研究課題/領域番号 23592168
研究機関愛媛大学

研究代表者

尾形 直則  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (30291503)

研究分担者 森野 忠夫  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (20380248)
堀内 秀樹  愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (60598762)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードmacrophage / spinal cord / rat / BDNF
研究概要

マクロファージの単離はラット腹腔内にDMEMを30ml注入した後に開腹し、注入液を採取し、閉創する。採取したDMEMには多量のマクロファージが含まれており、これを遠心し、細胞濃度を調節する。この単離したマクロファージにBDNFのcDNAを組み込んだベクターをエレクトロポーレーションで遺伝子導入した。電気的遺伝子導入はGene Pulser (BioRad社)を用いて行った。脊髄損傷モデルの作成はラット第11胸椎レベルで椎弓切除し硬膜を露出させ、この硬膜上からMASCIS Impactorを用いて重錘を25mmの高さから落として脊髄損傷を作成した。脊髄損傷後、直ちにラット硬膜内に25G針を用いて遺伝子導入マクロファージ浮遊液をL4/5椎間より注入した。このようにしてマクロファージを注入した後、2週間後に損傷された脊髄を取り出し、凍結切片を作成、あらかじめベクターに組み込まれているGFP蛍光とBDNF蛋白が発現しているかどうかを組織学的に検討した。組織染色は抗BDNF抗体を用いて行った。脊髄損傷部の周辺の組織に蛍光を発する細胞が多数観察された。この細胞は抗BDNF抗体にも陽性であり、硬膜内注入されたマクロファージが脊髄内にmigrationし、蛍光を発していたものと考えられた。さらにその細胞はBDNF蛋白を発現しており、遺伝子導入された自家マクロファージが損傷脊髄内にmigrateし、そこでBDNF蛋白を産生していることが確認された。今後はこのマクロファージ移植による下肢運動機能の改善を行動学的に解析していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

この研究の最初のステップである、脊髄損傷モデルの確立、マクロファージの単離、遺伝子導入、細胞移植、脊髄内でのBDNF蛋白の発現などはおおむね達成された。

今後の研究の推進方策

次のステップは損傷脊髄内に発現されたBDNF蛋白が、脊髄損傷ラットの下肢運動機能の改善をもたらすかどうかを検証することである。

次年度の研究費の使用計画

脊髄損傷の精度を向上させるために、新しい脊髄損傷作成機をレンタルし、症例を増やして統計学的に優位な下肢機能改善が得られるかどうかを検証していく予定。

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi