研究課題/領域番号 |
23592174
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
橋爪 洋 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10326382)
|
研究分担者 |
中塚 映政 関西医療大学, 保健医療学部, その他 (30380752)
|
キーワード | 神経障害性疼痛 / 動物モデル / 椎間孔外側障害 / ダブルクラッシュ / 後根神経節 / 交感神経 / 疼痛メカニズム / パッチクランプ法 |
研究概要 |
臨床上不明な点の多いL5神経ダブルクラッシュ病変(L5神経が脊髄神経根と後根神経節[DRG]の2カ所で圧迫を受ける病態)ならびに椎間孔外側障害(多くの場合L5後根神経節が圧迫を受ける)の疼痛メカニズムを解明すべく、SDラットを用いて①L5神経DRG単独損傷(結紮)モデル、②L5神経ダブルクラッシュ(結紮)モデル、③L5神経DRG結紮+腰部交感神経節切除モデルを作成し処置後7日目にin vivo patch clamp法で比較した。 L5髄節脊髄後角から導出される興奮性シナプス後電流(EPSC)は①、②間で頻度、振幅ともに統計学的有意差を認めなかった。一方、①、③間の比較では、③は①に比べてEPSCの振幅は変わらないものの、頻度が有意に減少していた。 以上より、電気生理学的にみて、DRG単独損傷とダブルクラッシュ病変は痛みの質がほぼ同一であること、DRG損傷(すなわち椎間孔外側病変)の痛みには腰部交感神経が関与する可能性が示された。平成24年度までの研究成果により、L5神経のDRG結紮モデルは神経根(DRGの中枢)結紮モデルあるいは脊髄神経(DRGの末梢)結紮モデルと比較して有意に疼痛閾値が低下、脊髄後角におけるEPSCの振幅と頻度が増強することが確認されている。 これらの知見は臨床上の椎間孔外側病変ならびにダブルクラッシュ病変の疼痛メカニズム解明に寄与するものと考える。
|