研究課題/領域番号 |
23592180
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山本 憲男 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (90332668)
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キーワード | 新規プラチナ製剤 / 蛍光タンパク遺伝子導入細胞 |
研究概要 |
新規プラチナ製剤の骨肉腫に対する抗腫瘍効果を,骨肉腫細胞株を用いてin vitroで検証し,また,動物実験モデルを用いて抗腫瘍効果の評価をin vivoで行った.具体的には,骨肉腫細胞株(LM8、MG63、143B)を用いin vitroでの腫瘍抑制効果についてWST - 8 assayを用いて評価した。また,アポトーシスの誘導はDNA ladder、Annexin V/PIによるフローサイトメトリーにて評価した。In vivoにおける評価として,ヌードマウス(balb c nu/nu)の脛骨に143Bを移植したorthotopic modelを作成、各薬剤投与を行い抗腫瘍効果の評価を行った。我々の開発した新規プラチナ製剤はin vitroにおいて強く骨肉腫細胞株の増殖を抑制していた.また,ヌードマウスを用いたin vivoでの予備実験でも,これまでのシスプラチン製剤よりも強力に腫瘍の増殖を抑制することが確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで,新規開発シスプラチン製剤のIC50の決定,フローサイトメトリーによるアポトーシス導入の有無につき確認を行うことができた.動物実験についても,予備実験で従来のシスプラチン製剤よりも良好な抗腫瘍効果をin vivoにおいて確認することができた.計画通りおおむね順調に,研究は進展していると評価できる.
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今後の研究の推進方策 |
我々は実臨床において,シスプラチンの作用を増強するためにカフェインを併用した化学療法を施行しているが,カフェインがこの新規プラチナ製剤の抗腫瘍効果を高めることができるか,in vitroおよびin vivoで検討を行う予定である.また,この新規プラチナ製剤の作用機序につき,検討を予定している.作用機序の検討を行うことで,従来のシスプラチン製剤との交叉耐性の可能性についても検討を行う予定である.また,in vivoにおける抗腫瘍効果については,引き続き実験動物数を増やして検討を行うと同時に,蛍光タンパク導入細胞を用いたモデルを作成することで,骨肉腫細胞に対する作用を継時的に評価する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度繰越金として9万7千円あまりが生じたが,これは実験が年度をまたいているため,試薬の購入時期が若干ずれたために生じたものであり,次年度に繰り越して積極的に研究に活用していく予定である.具体的には引き続き,in vitroおよびin vivoでの実験を予定しており,大量の培養細胞が必要である.またリポフェクタミン,クローニングシリンダー,ピペットチップなどの使用が必要となる見込みであり,これら試薬などの購入に研究費を使用予定である.また,ヌードマウスについても,引き続き購入予定である.研究結果については,日本整形外科学会(骨軟部腫瘍学術集会),アメリカ整形外科学会などに発表予定であり,その旅費として研究費を使用予定である.
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