• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

スパン80ベシクルによるDDSを用いた骨腫瘍に対するカフェイン療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592191
研究機関愛媛大学

研究代表者

木谷 彰岐  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (60380234)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード骨・軟部腫瘍学 / カフェイン / 骨肉腫 / DDS
研究概要

カフェインおよび化学療法剤を内包したSpan80ベシクルにESA レクチンによって腫瘍選択性を持たせ、目的とする細胞にベシクル内容物が送達されることを検証、in vitro において骨腫瘍細胞株と正常細胞株に対する細胞障害効果を解析し、つぎに腫瘍を移植したマウスを用いた治療モデルにおいて、このベシクルが選択性を持って腫瘍に内容物を送達するか、カフェイン・化学療法剤内包ベシクルによる治療効果があるかを解析すると共に、毒性・副作用の解析を行った。具体的には、カフェインおよび抗がん剤シスプラチンを内包したベシクルが腫瘍に特異的・効率的に内包物を送達するか、またin vitro における抗腫瘍効果と毒性を解析することを主な目的に、以下の方法で研究を行った。1. in vitro におけるベシクルによる腫瘍へのカフェイン送達効果の解析ESA固定化Span80ベシクル、および非固定化ベシクルに蛍光色素を内包させ、培養骨肉腫細胞株と線維芽細胞など非腫瘍性細胞株に加え、細胞内への蛍光色素取込を蛍光顕微鏡、フローサイトメトリーで定量的に解析し、蛍光色素が腫瘍細胞内に特異的に送達されることを明らかにした。また、in vitroにおけるカフェインおよび抗癌剤内包ベシクル投与による抗腫瘍効果の解析(木谷、中田)ESA固定化Span80ベシクル、非固定化ベシクルにカフェインのみ内包、イフォスファミドのみ内包させたものを作製し、単独で、または両者を投与し、両者の投与で最も抗腫瘍効果が発揮されることを明らかにした。2. ヒト骨肉腫細胞株として LM8をC3H/HeJマウスに移植し、in vivoにおけるカフェイン内包ベシクルによる腫瘍へのカフェイン送達効果を解析、イフォスファミド内包ベシクルと共に投与して、強い抗腫瘍効果が発揮されることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ベシクル作成は順調に進み、それを用いたin vitro実験、in vivo実験共に順調に進展している。ただし、ESAベシクルの原料であるトゲキリンサイが入手困難となり、現在メーカーと交渉中で、このレクチンを用いた実験系のみ進行が止まっている。その分、in vitroの抗腫瘍効果解析を先行して行っており、研究期間全体で見るとほぼ予定通りの進捗状況と考える。今年度は、preliminaryな研究結果について学会発表も予定している。

今後の研究の推進方策

昨年度に引き続き、in vitroおよびin vivoにおけるベシクルによるカフェイン、抗腫瘍剤の送達効果の解析、腫瘍治療モデルの解析、安全性の確認を以下の通り行っていく。ESAの原料であるトゲキリンサイが入手困難となっていたため、今年度に繰り越された実験系について、新たにESAを抽出して実行する。1. in vitroにおけるカフェインおよび抗癌剤内包ベシクル投与による抗腫瘍効果の解析 ESA固定化Span80ベシクル、非固定化ベシクルにカフェインのみ内包、シスプラチンのみ、両者を内包させたものを作製し、上記と同様に投与する。細胞内へのシスプラチン取込を定量するため、投与後の細胞内プラチナ濃度も測定する。2. in vitroにおけるESA以外の腫瘍標的分子を用いた腫瘍選択性最適化の試み      ESAの代わりに、骨肉腫細胞の表面マーカーとなり得る分子(nestin/CD133, CD99, CD152, P-Glycoproteinなど)に対する抗体を固定化したベシクルを作製し、1.と同様の手法で解析し、腫瘍選択性の高い標的分子を検索する。3. in vivoにおけるカフェイン及び抗癌剤内包ベシクルの腫瘍選択性の解析       前述5.の系を用いて、全身へのベシクル内包物の分布を詳細に解析し、in vivoにおける腫瘍選択性を解析すると共に、よりin vivoにおける腫瘍選択性の高い標的分子を同定する。シスプラチンを投与する系においては、諸臓器のプラチナ濃度も定量する。4. in vivoにおけるカフェインおよび抗癌剤内包ベシクル投与による抗腫瘍効果の解析 上記の解析により、もっとも効果が得られると期待されるDDSの数系統につき、実際に骨肉腫移植マウスに経静脈的に投与を行い、その抗腫瘍効果を解析する。

次年度の研究費の使用計画

直接経費額に限りがあるので、実験用動物飼育手数料100,000と成果発表用旅費140,000以外は全て必要最低限の実験消耗品(試薬、プラスチックディスポ器具、動物飼料)に費やす。旅費は、本人および研究協力者の大学院生1名が1泊2日で札幌に出張して成果を発表することを企図して計上する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Polyostotic fibrous dysplasia with gigantism and huge pelvic tumor: a rare case of McCune-Albright syndrome.2011

    • 著者名/発表者名
      Sakayama K, Sugawara Y, Kidani T, Fujibuchi T, Kito K, Tanji N, Nakamura A.
    • 雑誌名

      Int J Clin Oncol.

      巻: 16 ページ: 270-274

    • DOI

      10.1007/s10147-010-0127-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 悪性腫瘍との鑑別に201T1シンチグラフィーが有用であったGossypibomaの3例2011

    • 著者名/発表者名
      木谷彰岐, 坂山憲史, 藤渕剛次, 中村篤志, 中田浩史, 三浦裕正
    • 雑誌名

      中部日本整形外科災害外科学会雑誌

      巻: 54 ページ: 743-744

    • 査読あり
  • [学会発表] 大腿骨頸部単純性骨嚢腫に対する小侵襲手術の治療経験2011

    • 著者名/発表者名
      木谷彰岐, 坂山憲史, 藤渕剛次, 中田浩史, 中村篤志, 三浦裕正
    • 学会等名
      第45回中国・四国整形外科学会
    • 発表場所
      倉敷市
    • 年月日
      2011.11.10

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi