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2012 年度 実施状況報告書

スパン80ベシクルによるDDSを用いた骨腫瘍に対するカフェイン療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592191
研究機関愛媛大学

研究代表者

木谷 彰岐  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (60380234)

キーワードSPAN80ベシクル / DDS / 骨肉腫 / 化学療法モデル / カフェイン
研究概要

カフェインおよび化学療法剤を内包したSpan80ベシクルにESA レクチンによって腫瘍選択性を持たせ、目的とする細胞にベシクル内容物が送達されることを検証、in vitro において骨腫瘍細胞株と正常細胞株に対する細胞障害効果を解析し、つぎに腫瘍を移植したマウスを用いた治療モデルにおいて、このベシクルが選択性を持って腫瘍に内容物を送達するか、カフェイン・化学療法剤内包ベシクルによる治療効果があるかを解析すると共に、毒性・副作用の解析を行った。具体的には、カフェインおよび抗がん剤イフォスファミドを内包したベシクルが腫瘍に特異的・効率的に内包物を送達するか、またin vitro における抗腫瘍効果と毒性を解析することを主な目的に、以下の方法で研究を行った。
1. in vitroにおけるカフェインおよび抗癌剤内包ベシクル投与による抗腫瘍効果の解析 Span80ベシクル、非固定化ベシクルにカフェインのみ内包、イフォスファミドのみ、両者を内包させたものを作製し、上記と同様に投与した。
2. in vitroにおける腫瘍標的分子を用いた腫瘍選択性最適化の試み    骨肉腫細胞の表面マーカーとなり得る分子CD99に対する抗体を固定化したベシクルを作製し、1.と同様の手法で解析した。
3. in vivoにおけるカフェイン及び抗癌剤内包ベシクルの腫瘍選択性の解析      全身へのベシクル内包物の分布を詳細に解析し、in vivoにおける腫瘍選択性を解析し、腫瘍選択性の高い標的分子を同定した。
4. in vivoにおけるカフェインおよび抗癌剤内包ベシクル投与による抗腫瘍効果の解析上記の解析により、もっとも効果が得られると期待されるDDSの数系統につき、実際に骨肉腫移植マウスに経静脈的に投与を行い、その抗腫瘍効果を解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ベシクル作成は順調に進み、それを用いたin vitro実験、in vivo実験共に順調に進展している。ただし、ESAベシクルの原料であるトゲキリンサイが入手困難となり、このレクチンを用いた実験系は中止した。その代わりに、抗CD99抗体を用いた腫瘍特異的DDSの構築を企図して実験系を展開した。研究期間全体で見るとほぼ予定通りの進捗状況と考える。

今後の研究の推進方策

昨年度に引き続き、in vitroおよびin vivoにおけるベシクルによるカフェイン、腫瘍治療モデルの解析、安全性の確認を以下の通り行っていく。また、最終年度となるため、研究結果をとりまとめ、国内学会、国際学会で成果を発表するとともに、英語論文として国際的な雑誌に投稿誌、発表を目指す。
1. in v ivo におけるカフェイン及び抗癌剤内包ベシクルの腫瘍選択性の解析     抗CD99抗体を用いた、全身へのベシクル内包物の分布を詳細に解析し、in vivoにおける腫瘍選択性を解析すると共に、よりin vivo における腫瘍選択性の高い標的分子を同定する。
2. in vivoにおけるカフェインおよび抗癌剤内包ベシクル投与による抗腫瘍効果の解析   上記の解析により、もっとも効果が得られると期待されるDDS の数系統につき、実際に骨肉腫移植マウスに経静脈的に投与を行い、その抗腫瘍効果を解析する。長期投与群と短期投与群に分けて解析を行い、長期投与群では生存率の解析も行う。投与開始後、経時的に腫瘍径を測定し、マウスをsacrifice して腫瘍を採取し、腫瘍細胞のviab ility を病理組織学的に評価すると共に、増殖マーカー、アポトーシスマーカーを解析する。また、採取した腫瘍からmRNAを採取してarray解析を行う。
3. in vivoにおけるカフェイン内包ベシクル投与による毒性・副作用の解析      上記の解析に用いたマウスの尿、血清を採取し、生化学的に各臓器機能を解析する。さらに、全臓器を病理組織学的に解析し、治療による臓器毒性・副作用に関して詳細に解析する。
4. 投与法の最適化    以上の各項の結果を統合して、最適な投与法を決定し、臨床応用への基礎とする。また、ヒト治療モデルへの応用を企図して、大型の動物を用いて安全性を検証する。

次年度の研究費の使用計画

直接経費額に限りがあるので、国際学会における成果発表用旅費以外は全て必要最低限の実験消耗品(試薬、プラスチックディスポ器具、動物飼料)に費やす。旅費は、本人および研究協力者の大学院生1名が1泊2日で札幌に出張して成果を発表することを企図して計上する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Genistein inhibits cell invasion and motility by inducing cell differentiation in murine osteosarcoma cell line LM8.2012

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Nakamura, Junichi Aizawa, Kenshi Sakayama, Teruki Kidani, Takata T, Norimatsu Y, Hiromasa Miura , Hiroshi Masuno.
    • 雑誌名

      BMC Cell Biol

      巻: 13 ページ: 13-24

    • DOI

      1186/1471-2121-13-24

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 当科における小児骨腫瘍症例の検討2012

    • 著者名/発表者名
      藤渕 剛次, 木谷 彰岐, 中村 篤志, 中田 浩史, 三浦 裕正
    • 雑誌名

      日本小児整形外科学会雑誌

      巻: 21 ページ: 311-315

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 藤渕 剛次, 木谷 彰岐, 中村 篤志, 中田 浩史, 三浦 裕正2012

    • 著者名/発表者名
      医師過疎状態は骨軟部腫瘍診療においても起こりうるか?
    • 雑誌名

      中国・四国整形外科学会雑誌

      巻: 24 ページ: 355-360

    • 査読あり
  • [学会発表] Span80ナノベシクルを用いたDDSによるマウス骨肉腫に対する腫瘍特異的カ フェイン併用化学療法の萌芽的開発2012

    • 著者名/発表者名
      中田浩史, 宮崎龍彦, 林啓太, 重川庸介, 岩崎智之, 中村篤志, 木谷彰岐, 坂山憲史, 三浦裕正
    • 学会等名
      第27回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      20121026-20121027
  • [学会発表] 大腿骨近位部悪性骨腫瘍切除後の軟部組織再建にマーレックスメッシュを用いた4例2012

    • 著者名/発表者名
      木谷彰岐, 坂山憲史, 藤渕剛次, 中田浩史, 中村篤志, 三浦裕正
    • 学会等名
      第45回日本整形外科学会骨軟部腫瘍学術集会
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      20120714-20120715
  • [学会発表] Span80ナノベシクルを用いたDDSによるマウス骨肉腫に対する腫瘍特異的カフェイン併用化学療法の基礎的研究2012

    • 著者名/発表者名
      中田浩史, 宮崎龍彦, 林啓太, 重川庸介, 岩崎智之, 中村篤志, 木谷彰岐, 坂山憲史, 三浦裕正
    • 学会等名
      第28回日本DDS学会学術集会
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      20120704-20120705

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公開日: 2014-07-24  

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