軟骨肉腫(Chondrosarcoma: CS)は、腫瘍性軟骨の形成を特徴とする悪性腫瘍である。化学療法・放射線治療に抵抗性で現在でも予後不良であるが、病態解明は進んでいない。本研究では、CSの悪性化機構を特にCS幹細胞に注目して解析し、CS予後改善のための新規治療法の開発を目指した。その結果、CS幹細胞はS100A4蛋白質やType I collagenを発現することが示唆された。また、肉腫幹細胞は薬剤耐性とも関与していると考えられるため、CSの薬剤耐性株を作製した結果、薬剤排出ポンプであるP糖蛋白が強発現していることを確認、CSの新規化学療法の分子標的となる可能性が示唆された。
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