研究課題/領域番号 |
23592193
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
坂本 昭夫 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40335964)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
キーワード | Gタンパク欠損 |
研究概要 |
Gsαへテロ欠損マウスに発生する腫瘍に対する、エピジェネティクス解析に備え、クロマチン免疫沈降(Chromatin immunoprecipitation:ChIP)のコントロールを行った。正常マウス組織(肝臓、筋肉)約500mg片を、PBSにてホモジナイズした、氷上にて4%ホルマリンにより、クロスリンクさせた。その後、界面活性剤を含むPBSバッファにて再度、軽くホモジナイズした。遠心して、Lysis Bufferを用い、クロマチンを抽出した。超音波破砕器を用いて、クロマチンDNAを、2-300bpのピーク、500bp未満となるように、断片化した(アガロースゲルにて確認)。クロマチン免疫は、クロマチン免疫沈降キット(Upstate社)を用い、抗体は、抗アセチル化ヒストン H3を用いた。免疫沈降し、リバースクロスリンクの後に、DNAを抽出した。ターゲット領域として、GAPDH領域を増幅させた。以上のコントロール実験を、クロスリンク時間、超音波破砕時間等の至適条件を確認した。当初、GNASヘテロ欠損マウスにて、腫瘍発生の頻度と、その腫瘍の特徴と確認する予定であったが、改変マウスの入手が遅れたため、クロマチン免疫沈降のコントロール実験を先に行った。コントロール実験であったため、当教室にて購入済の器械、キット、試薬を用いたため、当該科学研究費は、使用しなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Gsαへテロ欠損マウスは、GNASヘテロ欠損マウス(エクソン2へテロ欠損)と野生型マウスと交配することにより作成する。母方アリル欠か、父方アリル欠損かどうかは、遺伝子変異マウスが、父か母かにて判断可能となる。GNASへテロ欠損は、申請者が日本学術振興会海外特別研究員JSPS (Japan Society for the Promotionof Science) fellowship (2002-2003)として、所属していた研究室(Weinstein研究室)より、譲渡可能であるが、改変マウスの入手がおくれ、統計に必要な、マウス数が不足した。そのため、クロマチン免疫沈降法のコントロール実験を優先した。
|
今後の研究の推進方策 |
Gsαへテロ欠損マウスにおける、腫瘍発生の頻度を調べる予定であるが、1年間の解析期間が必要であるため、当該科学研究費期間での十分な解析が困難と予測される。そのため、腫瘍発生頻度等の統計は、譲渡元研究室における進行中のデータを合わせての解析を検討している。遺伝子改変マウスのフォローにて、父アリル欠損マウスと母アリル欠損マウスにおける腫瘍発生の頻度に、差があるようならば、腫瘍発生とインプリントとの関連を強く示唆する。そのため、インプリント関連する実験を進める。具体的には、Gsα発現量を、定量的PCRにて比較する。次に、インプリンティングと関連するヒストン修飾をクロマチン免疫沈降法にて調べる。父アリル欠損マウスと母アリル欠損マウスにおける腫瘍発生の頻度にて、差がない場合は、腫瘍の生物学的解析(遺伝子、タンパク発現)を優先する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
クロマチン免疫沈降法、PCR,免疫染色の実験となるため、それぞれのキット、試薬を購入する。購入予定抗体として、腫瘍の生物学的性質の解析のため、PCNA、マトリックスメタロプロテアーゼ、ヒストン修飾関連抗体等を予定してる。器械としては、ピペット、電気泳動槽を購入予定。
|