研究課題/領域番号 |
23592204
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森崎 裕 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30508099)
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研究分担者 |
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (50282661)
三浦 俊樹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20376479)
門野 夕峰 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70401065)
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キーワード | 骨・軟骨代謝学 |
研究概要 |
本研究の目的はマウス抗RANKL(receptor activator of NF-κB ligand)抗体による骨吸収抑制作用機序をin vitroおよびin vivoで明らかにするとともに、抗RANKL抗体と既存の骨粗鬆症治療薬との相互作用の検証を通じて、破骨細胞分化制御機構の解明を目指す。 具体的にはマウスモデルにおいて、RANKL中和の生体に及ぼす影響を詳細に明らかにするとともに、さまざまな骨粗鬆症治療薬と抗RANKL抗体の相互作用を検討することである。 本研究は今年度、以下のテーマについて遂行している。 抗RANKL抗体による破骨細胞分化抑制機構の解析 抗RANKL抗体による骨量増加、骨密度上昇作用を、生体内での経時的変化を詳細に解析した。抗RANKL抗体をマウスに投与し、投与開始前をコントロールとして一定期間経過後、各時点でX線検査、骨密度測定、血清学的検査、組織学的検査を行いそれらの推移をとらえ、抗RANKL抗体の経時的な作用の変化を解析した。血清学的検査は、骨吸収マーカーとしてCTx(C-terminal telopeptide crosslink of type I collagen)やosteocalcinの血清濃度測定を実施した。組織学的検査では、抗体投与後に経時的にマウス骨組織を採取し固定、脱灰後にパラフィン包埋し、ミクロトームを用いて組織切片を作製した。作製された切片は破骨細胞が同定できるようにH-E染色に加えTRAP染色を実施した。これらの実験により抗RANKL抗体の持つ経時的な効果の詳細が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに実験を遂行して、本年度はin vivoでの抗RANKL抗体の作用を詳細に解析することができた。
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今後の研究の推進方策 |
抗RANKL抗体と既存の骨粗鬆症治療薬との相互作用の検証 前年度までに得られた基礎的研究結果をもとにして閉経後骨粗鬆症モデルマウスを用いて抗RANKL抗体投与と既存の骨粗鬆症治療薬との相互作用を検証する。本研究では間欠投与によって強力な骨形成促進作用を有する副甲状腺ホルモン(PTH)と抗RANKL抗体との相互作用を、様々な時間・空間軸で検討する。C57BL/6マウス、メス12週齢に対し両側卵巣摘出術を行い術後4週間経過したマウスを実験に用いる。各薬剤の単独投与群をコントロールとして、術後4週時点で抗RANKL抗体単回投与群及び同時点からPTHのみの間欠投与(4週間)群の計2群、各8匹前後をおく。また2剤併用群を、術後4週時点で抗RANKL抗体を単回投与した後にPTHを併用することとし、PTHの投与開始時期を前年度の結果に基づいて変化させ、マウスを計4群、各8匹前後に分ける。コントロール群(計2群)、併用群(計4群)の各群に対し卵巣摘出前、抗RANKL抗体の投与直前、PTH投与開始直前、終了の各時点で前年度と同様、X線撮影、骨密度測定、血清学的検査、組織学的検査を行い各群を比較しそれらの推移をとらえ、抗RANKL抗体とPTHの経時的な相互作用の変化を解析する。既述のin vitroの実験結果とこのin vivoの抗RANKL抗体及びPTHの相互作用を詳細に解析することで、多角的かつ包括的な破骨細胞分化抑制機構の解明が可能となると考えられる。
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次年度の研究費の使用計画 |
既に我々は、in vitroでの破骨細胞実験系、分子生物学的な解析手法に関しては十分な知識と経験を備えている(Tanaka et al. Nature 383: 528-531, 1996)。また既に上記の一連の実験を行うのに十分な機器、設備が備わっている。したがって研究費の用途は消耗 品が中心である。本研究は細胞株を用いた実験では代用できず、生体マウスからの試料採取が必要となるため、マウス飼育費用がかかる。
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