研究概要 |
2010年に行った検診時に得た約1000名の対象者から得られた保存尿検体の軟骨代謝マーカーuCTX-II値を、Urine Clinical CartiLaps EIAキット(IDS社)を購入して、過去の測定でも協力を頂いた検査会社SRLに測定を依頼しすべての計測を終了した。 既に得られている2010年分の両膝X線正面像のOAグレードを用いて、閉経に関係のない年代を対象とした検討を行うこととし、60歳以上の男女(女性260名、男性276名)を対象として、G0,1, G2, G3,4の3群に分けてのOAグレード別のuCTX-II値、また、uCTX-II値を低値から高値への4分位に分けた場合のOAグレード分布、ならびにuCTX-II値の膝OAの検出感度を調べるためROC曲線を作製して調べた。 その結果、1)OAグレードが上昇するに伴い、特に女性おいてuCTX-IIの平均値は有意に上昇、2)uCTX-II値が高値になるに従い、女性において有意にOAグレード2以上の対象者が増加する、3)uCTX-II値のマーカーとしての感度は、ROC曲線のAUC(area under the curve)は、女性で0.65、男性で0.61であり、女性の方が有用であると判断できたが、単回の検査の感度としては高いものではなかった。 また、並行して住民検診群だけではなく、病院受診者も3年以上の経過観察を進めており、本研究との比較検討を行うため、同時に測定を行った。3年以上の間隔を置いたX線評価(OAグレード、関節裂隙)では、uCTX-IIの値と関連した変化を認めている。
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