変形性膝関節症(膝OA)の発症・進行の客観的指標としてバイオマーカーが不可欠である。日本人でX線上の膝OA変化とバイオマーカーとの関連を長期にわたり検討するため、住民検診で尿中CTX-IIを測定し3年間の縦断調査を行った。女性では中等度OAから進行を認めた群で尿中CTX-IIが高値であった。その後、6年目に追加のX線検診を行った結果、6年間での膝OA発症群で、男女とも初回と比べて3年後のCTX-Ⅱが有意に高く、また、男女ともに2回の平均CTX-IIの低値群に比べて高値群でOA進行例の割合が増えており、尿中CTX-IIの複数回の測定でOAの発症・進行を予測できる可能性があるという結果を得た。
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