研究課題/領域番号 |
23592213
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西山 隆之 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 特命准教授 (10379373)
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研究分担者 |
林 申也 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (20437487)
西田 康太郎 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (00379372)
黒田 良祐 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80379362)
黒坂 昌弘 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70170115)
藤代 高明 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 特命助教 (50448172)
神崎 至幸 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (30514632)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 変形性関節症 / アポトーシス / p38MAPK / P53R2 / PTEN |
研究概要 |
平成23年度は、人工膝関節置換術の際に採取した変形性関節症(OA)関節軟骨と、大腿骨頚部骨折で人工骨頭置換術の際に採取した正常関節軟骨でのp38MAPKの発現をRT-PCR, Immunohistochemistory、Western blottingを用いて確認したところ、p38MAPKはOA軟骨、正常軟骨ともに同等の発現を認めたが、リン酸化されたp38MAPKの発現量はOA軟骨では正常軟骨に比べて増加していた。次に軟骨細胞に対しFlexercellを使用して引っ張り刺激 (shear stress)、または39℃での温熱刺激(heat stress) を加え、p38MAPKを介したアポトーシスの解析をWestern blotting、TUNEL染色などを用いて行った。いずれのstressを加えた場合もアポトーシスが強く誘導され、リン酸化されたp38 MAPKが強発現していた。このアポトーシスの誘導は、p38MAPKに特異的なsiRNAやp38活性化阻害剤であるSB203580により減弱した。以上の結果から、p38MAPKがストレス下における軟骨細胞のアポトーシスに強く関与していること示された。さらに、このp38MAPKの下流にある関連因子であるp53R2やPTENなどについても同様に、OA軟骨での発現量やストレスを加えた際の発現量の変化などをin vitroで解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度には、軟骨細胞に対しメカニカルストレス(shear stress)や温熱ストレスを加えることで生体内での刺激を再現し、その状況でのp38MAPKを介したアポトーシスの解析を行うこと。p38MAPKの阻害により、各種ストレス下におけるアポトーシスの抑制が可能であるかの検討を行うこと。これらを目標としていたが、いずれもin vitroの系で検討する事が出来た。また、p38MAPKの下流にある関連因子についても同様に、OA軟骨での発現量やストレスを加えた際の発現量の変化などをin vitroで解析する事が出来た。
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今後の研究の推進方策 |
今後の2年はこのp38MAPKのみではなく、その下流にある関連因子であるp53R2やPTENなどについてもin vitroで解析し、同時にin vivoでこれらの因子の制御が変形性関節症の進行抑制や変性軟骨修復に影響しうるかを評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究においては当初、平成23年度にストレックス社静水圧刺激装置を購入費として計上していたが、上記実験にて基礎実験が進んでいる事を考え、この購入費を平成24年、25年に予定しているin vivoの実験(動物実験)に使用したいと考えている。
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