研究課題
主に軟骨組織における軟骨細胞のアポトーシスに関連した研究を行ってきた。その中でもPTENという分子に着目した。変形性関節症(OA)の軟骨細胞ではアポトーシスが亢進していることが報告されている。我々は軟骨細胞にメカニカルストレスを加えることで、p53を介したアポトーシスが誘導されることを報告してきた。PTENはp53と同様に癌抑制因子として知られている。PTENの主な作用としてはPI3K(phosphoinositol-3-kinase)の抑制である。PI3Kは細胞の生存に重要なシグナルであり、マトリックス合成にも作用する。PTENの軟骨細胞でのその働きについては未だ明らかになっておらず、今回我々は軟骨細胞におけるPTENの作用について検討を行った。ヒト正常軟骨細胞に対して酸化stressを加え、Western blotting、real-time PCR、免疫組織染色を行いリン酸化されたPTENの発現を検討したところ酸化ストレスを与えることによりPTENのリン酸化は上昇した。次に酸化ストレス存在下にPTENの発現をsiRNAを用いて抑制するとtype II collagen、アグリカンの発現は増加した。すなわちPTENは軟骨基質合成に対してカタボリックな働きを有することが分かった。
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J Orthop Res
巻: 32 ページ: 231-237
10.1002/jor.22506.