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2011 年度 実施状況報告書

ヒストン脱アセチル化酵素1(HDAC1)siRNAの遺伝子導入による関節炎治療

研究課題

研究課題/領域番号 23592215
研究機関岡山大学

研究代表者

西田 圭一郎  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80284058)

研究分担者 大橋 俊孝  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50194262)
川畑 智子  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90600669)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードHDAC1 / コラーゲン抗体誘導関節炎 / siRNA / electroporation
研究概要

1) in vitro研究:HDAC 1 siRNA (siHDAC1)を5種類作成し、lipofecton法(Lipofectamine 2000 Reagent, Invitrogen)によりNIH-3T3細胞に導入し、ノックダウン効率を確認した。最もノックダウン効率が高かったsiHDAC1に蛍光標識を搭載し、蛍光標識搭載HDAC1 siRNAを作成した。次に蛍光標識を搭載したsiHDCA1を正常マウス膝関節内に投与後、electroporation(EP)法 (CUY21 electric pulse generator, 30V /cm2)を用いて細胞導入し蛍光顕微鏡で観察した。投与したsiHDAC1は蛍光顕微鏡により滑膜、半月板、軟骨への集積を認め、関節内への確実な投与が確認できた。2) in vivo研究:DBA/1マウス(5匹)に抗II型コラーゲン抗体カクテル(150mg)と LPS(100μl)を投与し、関節炎を誘導し、経時的に体重、関節炎スコアの評価を行った。EP法によるsiRNA導入の補助としてsiPORT Amine Transfection Agent(以下siPORT)(Applied Biosystems)を使用した。関節炎誘導後5日目、10日目にコントロール群には、siPORT 10μlを、non-specific siRNA投与群にはnon-specific siRNA 10μgとsiPORT 10μl 、siHDAC1投与群にはsiHDAC1 10μgとsiPORT 10μlを膝関節内に投与し、14日目に滑膜組織サンプルを採取し、組織学的および分子生物学的評価を行った。siHDAC1投与マウスにおいて滑膜増殖が抑制され、軟骨変性、骨びらんも軽度であった。HDAC1 mRNAの発現に関してもsiHDAC1投与マウスでは発現の低下を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ノックダウン効率の高いHDAC1siRNAを作製することができた。実際の治療実験においては、マウス膝関節内へのsiRNA投与に習熟を要した。膝関節内への確実な投与が行われているかどうかの確認方法が問題であったが、投与時に超音波をガイドとして使用することで、関節内への投与を比較的容易に行うことが可能となった。HDAC1siRNAにより治療をおこなったマウスの膝関節滑膜組織から採取したmRNAを用いて、RT-PCRによりHDAC1 mRNAの遺伝子発現を検討したところ、siHDAC投与マウスでHDAC1の発現の低下を認めたことから、in vivoでの有効性が確認できた。

今後の研究の推進方策

実験モデルマウスの数を増やし、さらに組織学的解析をすすめる。具体的には、組織学的関節炎グレードを評価する。HDAC1の発現が蛋白レベルで抑制されているかを確認するために、HDAC1に対する免疫組織科学染色を行う。さらにHDAC1が実際に機能しているかどうかは、アセチル化ヒストンH3, H4に対する免疫染色で評価する。また炎症性サイトカインとしてTNF-α、組織破壊に関与するMMP-3、MMP-13の発現状況の変化を観察し、HDAC1選択的抑制とこれらの遺伝子発現との関連性を検討する。

次年度の研究費の使用計画

昨年度は関節内注入の効率化を図る過程で購入したsiRNAが古くなり、十分な数の実験動物を用いたin vivo実験ができず、226,187円の繰越しが生じたが、これを本年度実験動物購入および関節炎惹起用抗体の購入に充てる他、さらに実験動物の購入、siRNA購入、免疫染色に際しての特異抗体、免疫染色用キットをいずれも消耗品として購入する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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