研究課題/領域番号 |
23592216
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三宅 由晃 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (70594810)
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研究分担者 |
青山 絵理子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10432650)
古松 毅之 岡山大学, 大学病院, 助教 (20432651)
久保田 聡 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (90221936)
尾崎 敏文 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40294459)
滝川 正春 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20112063)
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キーワード | CCN2 / 軟骨細胞 |
研究概要 |
CCN2はCTGF(connective tissue growth factor)とも呼ばれるCCNファミリーの代表的なメンバーであり、細胞外シグナルを統合・指揮している多機能分子と考えられている。この分子は特に間葉系組織の発生や再生に重要で、CCN2欠損マウスでは骨格形成異常がみられ、骨芽細胞・軟骨細胞の基質産生能や増殖能が著しく低下する。したがって我々はこのCCN2が骨軟骨代謝の根幹に関与しているのではないかと考え、CCN2の代謝システム全般における役割を解明することを目的として解析を行った。 CCN2欠損マウスと野生型のマウスの軟骨細胞を用い、遺伝子プロファイル、ATP量の比較解析を行った。遺伝子発現プロファイルは同細胞からRNAを抽出してDNAマイクロアレイにより解析し、細胞抽出液中のATP量はbioluminescence assay法にて定量した。 DNAマイクロアレイの結果から、CCN2欠損軟骨細胞では多くのリボソームタンパク質遺伝子の発現が亢進すること、ATP合成酵素γサブユニット遺伝子の発現が低下することが明らかとなった。ATP定量ではCCN2欠損マウスで細胞内ATP濃度が低値であった。また、HCS-2/8細胞において、一時的にCCN2をノックダウンした場合でもATP合成酵素γサブユニットの発現抑制が認められた。 以上より、CCN2がATP産生を支えることにより軟骨細胞のエネルギー代謝において重要な役割を担っているということが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に計画していたCCN2遺伝子発現抑制が、軟骨細胞ミトコンドリアの酸化的リン酸化能力に与える影響の評価を行い、重要な成果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
H24年度に行ったCCN2遺伝子発現抑制を引き続き行い、H25年度は以下の項目について検討を進める。 (1)CCN2遺伝子代謝産物の比較定量 (2)ヒト軟骨細胞様HCS-2/8細胞を用いて、CCN2遺伝子代謝関連遺伝子のノックダウンを行い、定量RCR法にてその影響を解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
H24年度の残額を含め、H25年度と合わせて、研究消耗品80%、旅費20%の使用を計画している。
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