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2011 年度 実施状況報告書

Th17細胞の分化に関わるmicroRNAを標的とした関節炎の治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 23592217
研究機関広島大学

研究代表者

鈴木 修身  広島大学, 病院, 助教 (40397956)

研究分担者 越智 光夫  広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70177244)
中佐 智幸  広島大学, 病院, 病院助教 (60467769)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードアレルギー・ぜんそく / 遺伝子 / 核酸 / シグナル伝達
研究概要

平成23年度計画における同定されたmiRNAの機能解析については、末梢血単核球からautoMACSにより CD4+ T細胞を分離し、IL-1β、2、6、23を添加し、Th17細胞をexpansionさせた。これらの細胞をreal time PCR、ELISAにてIL-17の産生を確認した後、miRNAマイクロアレイにより、miRNA発現のプロファイリングを行い、Th17細胞の分化に関わっている可能性のあるmiRNA(let7a, miRNA-26a, miRNA-146a/b, miRNA-150, miRNA-155)を同定した。同定されたmiRNAの標的遺伝子の解析については、現在解析を進めている。平成24年度計画におけるTh17細胞分化に関わるmiRNAによる関節炎マウス治療効果の検討については、抗II型コラーゲン抗体誘導関節炎マウスを作製した。DBA1/Jマウスに対し、II型コラーゲン抗体カクテルを静脈注射して二日後、リポポリサッカライドを腹腔内投与した翌日、関節炎が生じ始めたのを確認できた。関節注射あるいは静脈注射による治療効果の検討については、合成miRNA-146a、miRNA-150、let-7a、コントロールとして非機能性の合成二本鎖RNAをアテロコラーゲンと混合し、関節炎マウスの尾静脈から投与した(20μg/50μl、各群5匹ずつ)。関節炎をスコア化し、7日後、屠殺して後足部の切片を作製した。関節炎のスコアは、コントロールと比較し、miRNA-146a、let-7aを投与した群で有意に低値を示した。miRNA-150を投与した群では、コントロールと比較し有意に関節炎が悪化していた。組織学的評価では、miRNA-146a, let-7aを投与した群では、関節面の破壊が軽度であった。引き続き、組織学的評価を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度計画における同定されたmiRNAの機能解析については、末梢血単核球からTh17細胞の分化に関わっている可能性のあるmiRNA(let7a, miRNA-26a, miRNA-146a/b, miRNA-150, miRNA-155)を同定できた。同定されたmiRNAの標的遺伝子の解析についても、平成23年度計画の内容であり現在解析を進めている。平成24年度計画におけるTh17細胞分化に関わるmiRNAによる関節炎マウス治療効果の検討については、抗II型コラーゲン抗体誘導関節炎マウスを作製できた。この関節炎マウスに対して合成miRNA-146a、miRNA-150、let-7を静脈内投与することによる、関節炎の変化についてはデータが蓄積されつつある。

今後の研究の推進方策

平成23年度計画における同定されたmiRNAの標的遺伝子の解析をさらに進めていく。また平成24年度計画もかなりの部分ですでに進行しているが、関節炎マウスに対して合成miRNA-146a、miRNA-150、let-7を静脈内投与した場合の組織学的評価や、関節内投与した場合の関節炎の変化や組織学的評価を進める。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度計画における同定されたmiRNAの標的遺伝子の解析をさらに進める必要がある。また平成24年度計画もかなりの部分ですでに進行しているが、関節炎マウスに対してmiRNAを静脈内投与した場合の組織学的評価や、関節内投与した場合の関節炎の変化や組織学的評価を進める予定である。本研究で使用する合成2本鎖miRNAやmiRNA inhibitorであるantisense oligonucleotideは高額であり、研究費の多くを試薬代に使用する予定である。また、in situ hybridizationを行うための試薬、ターゲット遺伝子の同定に行うルシフェラーゼアッセイに使用する試薬も必要である。またmiRNAを関節炎マウスに投与した場合の関節炎の変化についてのデータが蓄積されつつあり、研究成果の発表を行う。

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公開日: 2013-07-10  

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