研究概要 |
平成23年度計画における同定されたmiRNAの機能解析については、末梢血単核球からautoMACSによりCD4+T細胞を分離し、IL-1β、2、6、23を添加し、Th17細胞をexpansionさせた。これらの細胞をreal timePCR、ELISAにてIL-17の産生を確認した後、miRNAマイクロアレイによりmiRNA発現のプロファイリングを行い、Th17細胞の分化に関わっている可能性のあるmiRNA(let7a,miRNA-26a,miRNA-146a/b,miRNA-150,miRNA-155)を同定した。これらのmiRNAについて、in vitroで、炎症反応との関連について解析を行なっている。 平成24年度計画におけるTh17細胞分化に関わるmiRNAによる関節炎マウス治療効果の検討については、抗II型コラーゲン抗体誘導関節炎マウスを作製した。DBA1/Jマウスに対し、II型コラーゲン抗体カクテルを静脈注射して二日後、リポポリサッカライドを腹腔内投与した翌日、関節炎が生じ始めたのを確認した後、合成miRNA-146a、miRNA-150、let-7a、コントロールとして非機能性の合成二本鎖RNAをアテロコラーゲンと混合し、関節炎マウスの尾静脈から投与した(20μg/50μl、各群5匹ずつ)。関節炎をスコア化し、7日後、屠殺して後足部の切片を作製した。関節炎のスコアは、コントロールと比較し、miRNA-146a、let-7aを投与した群で有意に低値を示した。miRNA-150を投与した群では、コントロールと比較し有意に関節炎が悪化していた。組織学的評価回よコントロールでは、著しい滑膜炎を認め、サフラニンO染色にて、関節軟骨の蜘色性の低下を認めたが、miRNA-146aを投与した群では、滑膜炎は軽度であり、関節軟骨の染色性も保たれていた。
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