研究課題
シュニュリ3 (Shn3)はRunx2をユビキチン化による分解を導き骨形成を抑制するが、骨芽細胞におけるその他の作用点や、ファミリー分子Shn1やShn2にも同様の機能があるか不明である。間葉系前駆細胞ST2におけるBMP-2の骨芽細胞分化誘導系で、Shn3ノックダウンは期待通り骨芽細胞分化を促進したが、Shn1、またはShn2のsiRNAは逆にALP活性を抑制した。ST2と骨芽細胞株MC3T3-E1でShn3 siRNAでのみ発現が低下する遺伝子をマイクロアレイで検索し、Asparagine-linked glycosylation 2 ( Alg2 )を抽出した。Alg2ノックダウンは、ST2においてRunx2蛋白量に影響を与えずにOsx以降の骨芽細胞分化マーカーの発現を亢進させ、逆に過剰発現は骨芽細胞分化を抑制し、この効果はマウスcalvarial boneのexplant cultureの骨形成系でのAlg2ウイルス感染実験で確認出来た。Alg2はRunx2 OSE2レポーター活性を抑制し、Runx2と共に免疫沈降した。細胞免疫染色でAlg2過剰発現により、Runx2は小胞体局在パターンをとり核移行できずに転写機能が抑制されたと示唆された。Shn3の軟骨形成促進効果の分子メカニズムは全く不明である。軟骨細胞株ATDC5ではShn3ノックダウンにより軟骨細胞分化が抑制され、同時にAlg2も減少した。Alg2 siRNAにより軟骨細胞分化に重要な小胞体ストレス伝達分子Creb3l2の発現が減少し、Col2a1の発現も抑制された。マウスmetatarsal bone explant cultureにAlg2ウイルスを感染させると、肥大軟骨基質石灰化領域が増大し、Shn3-Alg2-Creb3l2軸が軟骨細胞成熟に重要な役割を演じると考えられた。
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Journal of Biological Chemistry
巻: 289 ページ: 9865-9879
10.1074/jbc.M113.520585
巻: 289 ページ: 8135-8150
10.1074/jbc.M113.509331