研究課題
我々は,関節リウマチ(RA)の発症に、グリオスタチン(GLS)(血小板由来血管内皮増殖因子と同一でthymidine phosphorylase活性をもつ)が密接に関与していることを初めて見いだした。thymidine phosphorylaseはin vivo, in vitroにおいて血管新生作用を有している。我々の研究グループでは,これまでの基礎研究成果に基づき、(1)RAにおける関節破壊へのGLSの関与を解明すること。(2)GLS遺伝子の発現から関節炎惹起活性の発現に至る諸相を阻害することにより、RA病勢を緩和する方法を確立することを最終目標としている。本研究ではRA滑膜炎増悪の一翼を担っているGLS発現制御分子機構の解明を目標とした。GLSの プロモーター領域にはSp1結合部位が7か所とISRESとGASが存在する。滑膜細胞でのGLS発現の転写調節活性部位を特定するために、数種類のdeletion vectorを作製した。これを用いて最上流のSp1 binding siteが重要であることをつきとめた。さらにグリオスタチンの発現にSp1結合部位にSp1の結合が必須なものであること確認するためにクロマチン免疫沈降 (ChIP assay)を行った。滑膜培養細胞においてはSp1阻害剤であるミスラマイシン前処置すると、TNF alfaにより誘導されるGLSの産生が抑制されることを確かめた。
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