関節リウマチ患者のうち、肥満者に炎症程度が軽いと言う臨床経験から脂肪組織が産生するレプチンが炎症を抑制する可能性があると考えた。まず、レプチンを全く産生していないob/obマウスに関節炎を誘導しても、関節炎は全く発生しなかった。次に、高脂肪食により肥満を誘導し、血中レプチン濃度を高くしたマウスに同様に関節炎を誘導したが、これも関節炎の程度は軽かった。最後に、レプチンを強制的に産生するようになっているトランスジェニックマウスに関節炎を誘導しても、その程度は軽かった。その際に、炎症を惹起していると考えられるIL-6産生をレプチンが抑制することを見いだした。レプチン濃度が高いことは炎症を抑制する。
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