研究課題
骨の恒常性は骨吸収を司る破骨細胞と、骨形成を担う骨芽細胞との絶妙なバランスの上に規定されており、その破綻によっては骨粗鬆症等の疾患を発症する。骨粗鬆症は様々な要因によって発症することが知られているが、中でも閉経は最も大きな発症要因の1つとして知られているものの、閉経による疾患発症メカニズムの詳細は不明のままであった。申請者は、女性ホルモンであるエストロゲンによって持続的に破骨細胞内のhypoxia inducible factor 1 alpha (Hif1a)が抑制されること、卵巣摘除偽閉経(OVX)モデルにおいてエストロゲンの欠乏に伴い破骨細胞中にHif1aが蓄積することを見いだした。破骨細胞特異的にHif1aを欠損させるとOVXによる骨量の減少がキャンセルされた。さらに、Hif1aの特異的な阻害剤を経口投与することによっても、OVXによる骨量減少が完全に抑制されることを見いだした。しかし、OVXを施行しないShamマウスにおいては破骨細胞特異的Hif1a欠損マウスも、Hif1a阻害剤投与マウスも、特に骨量には影響を来さなかった。以上のことから、閉経後骨粗鬆症においてHif1aが必須の機能を果たすことを見いだすことが出来た。
すべて 2013
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Proc Natl Acad Sci U S A.
巻: 110 ページ: 16568-16573
10.1073/pnas.1308755110