研究課題/領域番号 |
23592232
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
染谷 明正 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90167479)
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研究分担者 |
長岡 功 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60164399)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | グルコサミン / 滑膜細胞 / 糖化修飾 / O-GlcNAc修飾 / Sp1 / IL-8 / 抗炎症 / 機能性食品 |
研究実績の概要 |
これまでの研究成果から、グルコサミンは、滑膜培養細胞において、転写因子Sp1の糖化修飾(O-N-アセチルグルコサミン修飾、O-GlcNAc修飾)を促進することで炎症性サイトカインIL-8の産生を抑制すること、そして、それには核内Sp1量の変化が関与していることを報告した。平成26年度はそのメカニズムについてさらに検討を加えた。 まず、滑膜培養細胞MH7A細胞におけるSp1の細胞内局在を調べると、多くは核内に存在していた。そしてグルコサミン処理することで、核内のSp1量は減少したが、O-GlcNAc修飾を阻害するアロキサンは、グルコサミンの核内Sp1量の減少作用を消失した。Sp1は核―細胞質間を移行することが知られているが、グルコサミンはこの移行には影響しなかった。次にSp1の分解に関わるプロテアソーム活性を調べると、グルコサミンは核内のプロテアソーム活性を幾分低下させた。さらに、Sp1の転写活性を調べると、グルコサミンは転写活性を抑制し、この抑制効果はアロキサンの前処理によって一部消失した。 このようにグルコサミンは転写因子Sp1のO-GlcNAc修飾を亢進することで、核内のSp1量やその転写活性能を調節し、その結果、IL-8遺伝子の転写を抑制してIL-8産生量を低下させることが推測された。
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