研究課題/領域番号 |
23592238
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
福嶋 信広 久留米大学, 医学部, 助教 (90412535)
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研究分担者 |
平岡 弘二 久留米大学, 医学部, 准教授 (10268914)
庄田 孝則 久留米大学, 医学部, 助教 (10352163)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ペプチド / 生理活性 |
研究概要 |
(1)ペプチドの生理活性について検討するため、まずペプチド投与による骨芽細胞の変化についてDNAマイクロアレイを用いて網羅的遺伝子解析を行った。1回目のマイクロアレイにて変化のある遺伝子を解析した。骨代謝、細胞内シグナルについての遺伝子変化に注目して解析を行った結果、十数種類の遺伝子が大きく変化することが判明したが、再現性を確認するため現在2回目の解析中である。(2)ペプチドを骨芽細胞へ投与しRANKLなどの変化をreal-time PCRにて検討した。骨芽細胞はラット胎児の頭蓋骨より初代培養した細胞を用いた。新規ペプチドを骨芽細胞に各種濃度で投与し24時間後にRNAを採取しreal-time PCRにてRANKLの変化を測定した。結果有意な変化は認めなかった。現在、ペプチドの投与量やRNAの回収時間などを再検討し、再度同様の実験を行っている。(3)ペプチドの発現についての検討のためペプチドの抗体の作成を試みているが、まだ抗体作成には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
マイクロアレイのデータ解析に時間がかかったため。再現性を確認するためマイクロアレイを再度行っているためにデータ解析に時間がかかっている。またリアルタイムPCRの解析においてプライマーの設計、データ解析について繰り返し実験を行ったために計画より実験が遅れている。RANKLの変化については予想した結果が得られず、ペプチドの投与量など実験方法の再検討が必要である。ペプチドの抗体作成を試みているが、まだ成功していないためにペプチド発現の解析が進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画が遅れており次の対策、工夫にて研究の推進を図っていく。ペプチド発現解析においては試薬メーカーから発売している抗体やELISAキットの購入を検討し研究を進めていきたい。骨芽細胞への作用については遺伝子マイクロアレイの解析を急ぎ、遺伝子変化について検討していく。骨代謝への作用については投与量や投与期間、方法を再検討する必要がある。そのために、まずは細胞レベルでの遺伝子の変化について再検討し、動物実験の計画を立てていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
A)マイクロアレイを行い、変化があった遺伝子についてしぼりこみを行い、ペプチド投与による変化をReal-time PCRにて検討する。B)血中内のペプチドの確認を行う。(1)ラットから血清を採取しELISAを用いて新規ペプチドの血中内への存在を確認する。(2)また新規ペプチドの血中濃度の日内変動や食事の影響などを検討する。朝・昼・夕・深夜と各時間ごとにラットの血清を採取し新規ペプチドの濃度を測定する。また食前、食後でのペプチド濃度の変化を確認する。C)ラットへの静脈内投与を行い血中カルシウム濃度調節への作用を検討する。今回我々が発見したペプチドは胃の抽出液より分離・精製しており、骨芽細胞の細胞内Ca濃度を上昇させる。したがって、新規ペプチドは血中のカルシウム濃度にも影響している可能性がある。現在までの初期検討において新規ペプチドは血中カルシウム濃度を低下させた。そこでペプチドをラットへ静脈内投与し血中カルシウム濃度調節への作用を詳細に検討する。D)骨肉腫細胞に対する新規ペプチドの作用の検討を行う。骨肉腫細胞にたいしても新規ペプチドは作用する事を現在までに確認した。そこで、骨肉腫細胞に対する作用をペプチド、抗体を用いて検討する。骨肉腫細胞:U2OS、SaOS2、MG63を使用する。ペプチドを作用させ細胞の増殖能、浸潤能を検討。またペプチド投与による骨肉腫細胞の変化をDNAマイクロアレイを用いて網羅的遺伝子解析を行うことで詳細に検討する。E)ラットへの投与(8週間 腹腔内投与)を行い骨代謝への作用の詳細を検討する。新規ペプチドの骨代謝への影響を骨形態計測を行い組織における詳細な変化を検討する。
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