研究課題/領域番号 |
23592245
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
松川 隆 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (80209519)
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研究分担者 |
奥山 克巳 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (50242649)
岩下 博宣 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (10232670)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 体温 / 前投薬 / ミダゾラム / 前保温 |
研究概要 |
本研究では、1.ボランティア研究における麻酔前投薬と麻酔前保温との関係、2.全身麻酔患者において老化が麻酔前投薬惹起性低体温へ及ぼす影響、更に3.全身麻酔患者において老化が麻酔前保温に及ぼす影響について、3年間に渡って詳細に検討することを目的としている。まず初年度である今年度は、ボランティア研究として、ミダゾラムを前投薬として用いた際に前保温(Pre-warming)の有無による体温(中枢温、末梢温)の変化の差異について検討中である。<方法>(1)ボランティア(20-50歳)8名を選び、各人において各2日ずつ検討を加えている。(2) 麻酔前投薬として頻用されるミダゾラム(0.06mg/kg)を筋注する30分前から、温風式加温装置を用いて加温する前保温(+)日と加温しない前保温(-)日のそれぞれにおいて、体温(中枢温、末梢温)の変化を検討中。(3)測定項目(実験開始から10分ごと、ミダゾラム(0.06mg/kg)を筋注60分後まで)中枢温:鼓膜温(右、左)、末梢温:皮膚温(7ヶ所:胸部、上腕、前腕、示指、大腿、下腿、拇指)、循環パラメータ:血圧(SBP, DBP)、心拍数、パルスオキシメータ<結果>前保温(+)群の方が中枢温、皮膚温の低下が有意に少なく、麻酔前投薬による軽度の鎮静状態においても、麻酔前保温が体温(中枢温、末梢温)保持において友好であることが示唆されている。今後、更に検討を加えていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
未だかつて検討されていない前投薬ミダゾラム投与と麻酔前保温との関係について、新しい着眼で我々の体温研究班としての専門的知識・方法論を用いて、詳細に検討中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究として、高齢者と若年者におけるミダゾラムの前投薬による周術期の体温(中枢温、末梢温)変化の差異について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1年目のボランティア研究の結果を踏まえて、2年目となる平成24年度は、患者における 臨床研究として検討する予定である。<方法>1.全身麻酔下に予定手術を受けるASA重症度分類1-2高齢者患者(70歳以上)12名と若年者患者(20-45歳)12名に無作為に分ける。2. 麻酔前投薬としてミダゾラム(0.04mg/kg)を麻酔導入30分前に筋注する。3.ミダゾラム(0.04mg/kg)筋注と同時に温風式加温装置を用いて麻酔前保温を開始し、30分後に全身麻酔を導入する。4.測定項目(ミダゾラム筋注直後から10分毎、全身麻酔導入120分後まで)。中枢温:鼓膜温(右、左)、末梢温:皮膚温(3ヶ所:上腕、前腕、示指)、循環パラメータ:血圧(SBP, DBP)、心拍数、パルスオキシメータ<予測される結果>患者での臨床研究においても、ボランティア研究と同様に、麻酔前保温が体温(中枢温、末梢温)保温に対して有用であることが示されることが期待される。
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