研究課題/領域番号 |
23592245
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
松川 隆 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (80209519)
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研究分担者 |
奥山 克巳 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (50242649)
岩下 博宣 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (10232670)
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キーワード | 体温 / 前投薬 / 高齢者 / 麻酔 / 中枢温 / 末梢温 |
研究概要 |
2年目に当たる今年度は臨床研究として、高齢者と若年者におけるミダゾラムの前投薬による周術期の体温(中枢温、末梢温)変化の差異について検討することを目的として研究を遂行した。臨床研究を行うメンバーについて、麻酔科学講座の全面的なサポート体制が可能であった。 検討状況としては、以下の様である。1. 臨床研究として検討する。2.全身麻酔下に予定手術を受けるASA(アメリカ麻酔科学会)重症度分類1-2度の高齢者患者(70歳以上)12名と若年者患者(20-45歳)12名を対象とした。3.両群ともに麻酔前投薬としてミダゾラム(0.04mg/kg)を麻酔導入30分前に筋注を行った。 4.ミダゾラム(0.04mg/kg)筋注と同時に温風式加温装置を用いて麻酔前保温を開始し、30分後に全身麻酔を導入した。5) 測定項目(ミダゾラム筋注直後から10分毎、全身麻酔導入120分後まで)としては、中枢温として鼓膜温(右、左)、末梢温として皮膚温(3ヶ所:上腕、前腕、示指)を測定した。体温測定装置については今までに研究に使用してきた物品を直ぐに使用可能であった。循環パラメータとしては血圧(SBP, DBP)、心拍数、パルスオキシメータを選択した。 結果:全身麻酔導入後に時間の経過において両群ともに中枢温は有意に低下し、末梢温は有意に上昇した。中枢温の低下は高齢者群の方が有意に大きかった。末梢温の上昇に両群での有意差は認められなかった。 意義:麻酔前保温に拘わらず高齢者では有意な中枢温の低下が認められた。高齢者での麻酔中の体温管理には十分な注意が必要であることが再確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目、2年目共に研究の目的の達成度はおおむね順調である。 1年目はまず、ボランティア研究として、ミダゾラムを前投薬として用いた際に前保温(Pre-warming)の有無による体温(中枢温、末梢温)の変化の差異の検討を行った。 2年目には、臨床研究として、高齢者と若年者におけるミダゾラムの前投薬による周術期の体温(中枢温、末梢温)変化の差異の検討を行った。 今後、更なる検討を加えていく所存である。
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今後の研究の推進方策 |
<平成25年度の計画> 臨床研究として、高齢者と若年者における麻酔前保温が前投薬、麻酔導入後の体温(中枢温、末梢温)に及ぼす影響の差異について検討する。検討状況1) 臨床研究として検討する。2) 全身麻酔下に予定手術を受けるASA重症度分類1-2の高齢者患者(70歳以上)12名と若年者患者(20-45歳)12名。3) 麻酔前投薬としてミダゾラム(0.04mg/kg)を麻酔導入30分前に筋注する。4) 麻酔導入までの30分間、温風式加温装置(装置:現有設備、ブランケット:ディスポ製品)を用いて対象患者に麻酔前保温(Pre-warming)を行う。 5) 測定項目(ミダゾラム筋注直後から10分毎、全身麻酔導入120分後まで) 中枢温:鼓膜温(右、左)、末梢温:皮膚温(3ヶ所:上腕、前腕、示指) 循環パラメータ:血圧(SBP, DBP)、心拍数、パルスオキシメータ
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度必要な物品等を購入したところ未使用額が生じた。来年度にその未使用額を含めて以下の様な内容で研究費を使用していく計画である。 体温測定用プローベ(鼓膜用、食道用、膀胱用、直腸用、皮膚用)1,200千円 温風式保温カバー(全身用)500千円 薬品(ミダゾラム)100千円 計 1,200千円
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