研究課題
interleukin (IL)-6は中枢神経系において炎症性疾患のみならず、脳虚血や頭部外傷を含む急性疾患、神経変性疾患のような慢性疾患両者においてグリア細胞から産生され、多くの場合、急性疾患時には神経細胞保護、慢性疾患においては病態の悪化を促進すると考えられている。Dexmedetomidineは免疫系に影響を及ぼすことが知られており、血中のIL-6レベルをpropofolやmidazolamよりも抑制することが報告されている。これまでに、我々は培養グリア細胞においてIL-1βがIκB、p38 MAP kinase、SAPK/JNKの活性化を介してIL-6遊離を促進することを報告した。今回、DexmedetomidineがIL-1βによるIL-6産生に及ぼす影響とその機序を検討した。その結果、1.DexmedetomidineはIL-1βによるIL-6遊離・産生を抑制した。2. 8-bromo-cAMPはIL-1βによるIL-6遊離・産生を増強した。3. Dexmedetomidineはforskolin (adenylyl cyclase活性化物質)によるcAMPの増加に影響を及ぼさなかった。4. DexmedetomidineによるIL-6遊離抑制はyohimbine (α2受容体拮抗薬)によって影響を受けなかった。5. DexmedetomidineはIL-1βによるIκB、NFκB、p38 MAP kinase、SAPK/JNK、c-Junのリン酸化には影響しなかった。結論) グリア細胞において、DexmedetomidineはIL-1βによるIL-6の遊離を抑制するが、その作用はα2受容体を介していないことが示唆された。しかし、その作用点は明らかにできなかった。Dexmedetomidineは中枢神経系の免疫にも影響を及ぼす可能性がある。
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