研究課題/領域番号 |
23592260
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
新宮 千尋 大分大学, 医学部, 准教授 (30295191)
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研究分担者 |
野口 隆之 大分大学, 医学部, 教授 (90156183)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 急性肝障害 / ビタミンE / 酸化ストレス / 細胞内リン酸化 / 新規誘導体 |
研究概要 |
昨年度までの研究において、アセトアミノフェン誘発急性肝炎時におけるビタミンE誘導体ETS-GS投与の改善効果の検討を急性肝炎誘発前において下記項目を中心に行い、ビタミンE誘導体の投与の有無による効果を検討した。1) 血清中のAST,ALT値の測定。2) 血清中のNOx、サイトカイン量の測定をELISA Kit等を使用して解析する。3) 肝組織中のROS測定を酸化ストレスマーカーを用いて検討する。その結果、アセトアミノフェン誘発急性肝炎時におけるビタミンE誘導体ETS-GS投与が肝機能の改善等の劇的な改善効果をもたらすことがわかった。そこで、本年度は、計画書に沿い下記実験を施行することとした。1)四塩化炭素誘発急性肝炎モデルにおいてETS-GS投与時の効果の検討。他の急性肝炎モデル(四塩化炭素誘発急性肝炎モデル)において、ビタミンE誘導体を使用した時の改善に関係すると思われる指標を網羅的に解析する。2)急性肝炎モデルにおいてETS-GSの前投与と後投与でのリン酸化タンパク質の発現変化の確認(validation)。a)急性肝炎誘発前、b)急性肝炎誘発直後とc)急性肝炎誘発24時間後の3点の肝組織におけるリン酸化タンパク質のリン酸化レベルを比較する。ETS-GS前投与群(虚血前に投与する)における上述a), b), c)の3群間で比較する。次にETS-GS後投与群で同様に3群間で比較する。また、ETS-GS前投与群とETS後投与群においても比較し、ETS-GSSを障害前に投与した時と障害後に投与した時の違いを解析する。本研究では、リン酸化タンパク質測定kit(バイオラッド社)を用いる。これらの実験を遂行することで、今回ターゲットとしている薬剤ETS-GSの有効性を証明し、本疾患群での有効性を証明したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の実験では、当初予定していたアセトアミノフェン誘発急性肝炎時におけるビタミンE誘導体ETS-GS投与の改善効果を証明することが出来た。またそのメカニズムとして、酸化ストレスの軽減作用が関与していることを証明した。今後、本研究結果を学会報告や論文等にて発表していく予定である。また、本年度において本誘導体の更なる有効性の証明を行うことが可能になったから。
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今後の研究の推進方策 |
現在まで、アセトアミノフェン誘発急性肝炎モデルの作成並びに新規ビタミンE誘導体であるETS-GSの有効性並びにそのメカニズムに関して順調に研究を進めることが出来ている。今後は、可能な限り、早く次のターゲットモデルである四塩化炭素誘発急性肝炎モデルを確立し、本薬剤ビタミンE誘導体ETS-GS投与の有効性を証明していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
基本的な実験機器に関しては当教室にて現有の機器を中心に有効的な活用心がける。また、当大学に新設されたバイオラボ(全学共通の実験機器センター)には、本研究を遂行するうえで有効な機器が多数設置されていることから、これらの実験機器を有効かつ効率的に活用することで、科学研究費は、ラット、試薬を中心とした消耗品関係を中心に購入することが出来ると考えている。本年度も昨年度同様に効率的な実験計画・運営を心がけ、本年度もしっかりとしたデータを確実に出し、成果を上げていくことを目標に科学研究費を使用していきたい。
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