研究課題/領域番号 |
23592267
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
野口 将 東京医科大学, 医学部, 講師 (70343522)
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研究分担者 |
岩瀬 直人 東京医科大学, 医学部, 助教 (40408141)
安藤 千尋 東京医科大学, 医学部, 助教 (50420980)
富野 美紀子 東京医科大学, 医学部, 助教 (30459523)
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キーワード | 国際研究者交流 / スウェーデン |
研究概要 |
平成23年度に続き、麻酔薬暴露時の血小板ミトコンドリアの呼吸機能を時間経過に従い測定し比較検討することで、麻酔薬の有する臓器保護作用もしくは 細胞障害作用を解明し、より安全な周術期医療を確立する事を目的とし、健康成人ボランティアより採取した血液サンプル(全血)から血小板を分離した後、高感度オキシグラフであるオロボロスTMを用いてミトコンドリア呼吸鎖の機能を解析し、基本データの収集を行った。 一方、平成24年度の研究計画に基づき、全身麻酔が白血球、血小板ミトコンドリア呼吸能に及ぼす影響の検討のため(採血とミトコンドリア抽出、ミトコンドリア呼吸能解析は野口が、内野とEskilElmerが補佐した)、麻酔導入で静脈麻酔薬のミダゾラム(0.04mg/kg,01mg/kg)またはプロポフォール(2mg/kg)、麻酔維持としてプロポフォール(TCI2,4 μg/ml:プロポ群)または吸入麻酔薬のセボフルレン(1,2MAC:セボ群)とイソフルレン(1,2MAC:イソ群)および麻薬性鎮痛薬フェンタニル(50μg,100μg)を用いた全身麻酔を受ける呼吸器外科予定手術で、集中治療室に入室予定の患者のうち、適格基準を全て満たし、かつ除外基準に抵触しない患者より、術前、術中(手術開始2、4時間、終了時、術後第一病日)に採血を行い、白血球、血小板を分離した後、オロボロスTMを用いてミトコンドリア呼吸鎖の機能を解析し、各群の相違について比較検討すべくデータの収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度研究計画は、全身麻酔が白血球、血小板ミトコンドリア呼吸能に及ぼす影響の検討(採血とミトコンドリア抽出、ミトコンドリア呼吸能解析は野口が、内野とEskilElmerが補佐する)であった。全身麻酔を受けた患者より採血し、血小板を分離後、高感度オキシグラフであるオロボロスTMを用いて、ミトコンドリア呼吸鎖の機能を解析した。麻酔薬が血小板ミトコンドリア呼吸能に及ぼす影響の解析についてはデータ集積を進め、学会発表の準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、全身麻酔が白血球、血小板ミトコンドリアCa2+取りこみ能に及ぼす影響を検討(採血とミトコンドリア抽出、ミトコンドリアCa2+取りこみ能解析は野口が、内野とEskilElmerが補佐する)する予定である。全身麻酔の白血球、血小板ミトコンドリアCa2+取りこみ能への影響を測定し白血球、血小板ミトコンドリア組織呼吸の観点から麻酔薬の影響の検討を行う。麻酔導入で静脈麻酔薬のミダゾラム(0.04mg/kg,01mg/kg)またはプロポフォール(2mg/kg)、麻酔維持としてプロポフォール(TCI2,4 μg/ml:プロポ群)または吸入麻酔薬のセボフルレン(1,2MAC:セボ群)とイソフルレン(1,2MAC:イソ群)および麻薬性鎮痛薬フェンタニル(50μg,100μg)を用いた全身麻酔を受ける呼吸器外科予定手術で、集中治療室に入室予定の患者のうち、適格基準を全て満たし、かつ除外基準に抵触しない患者より、術前、術中(手術開始2、4時間、終了時、術後第一病日)に採血を行い、白血球、血小板を分離した後、白血球と血小板ミトコンドリア懸濁液に200mMATPと50mMADPおよび1mg/mlのオリゴマイシンを加える。ミトコンドリアのCa2+取りこみ(Calcium Retention Capacity:CRC)は、200nmolCaCl2を10μM/分で持続投与し、蛍光色素のFura6Fを懸濁液に加え509nmで励起して測定を行い、静脈麻酔と吸入麻酔による全身麻酔が白血球と血小板ミトコンドリアCa2+取りこみ能とMPTに与える影響を比較解析し、In vivoにおける各種麻酔薬とMPTに伴うミトコンドリア機能不全との連関を評価する。さらに平成23、24年度のデータを解析し、必要に応じて更にデータの集積に努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究費は、物品費として、採血のための必要物品(シリンジ、採血針、採血用スピッツ等)、実験用器具(ガラス器具、 手術器具等)、薬品(試薬薬品および研究器材・消耗品)の購入に充てる。また、オロボロスTMを用いた測定系の指導を受けるため、スウェーデン・ルンド大学のワレンベルグ脳神経科学研究所に在籍し本研究の研究協力者であるEskil Elmer等への人件費および謝金とする。旅費として、予定している国際学会および国内学会での発表時のものとする。その他、印刷費等に使用する。
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