神経障害性疼痛の治療において少量のケタミン投与でも効果が見られることの機序について、神経障害性疼痛モデルラットを作製し電気生理学的手法を用いて検討した。脊髄スライス標本からのwhole-cell patch clamp記録では、坐骨神経損傷ラットでは正常ラットとは異なり、後根刺激により誘起される興奮性シナプス後電流(EPSC)はほとんどが多シナプス性であった。また、この多シナプス性EPSCはケタミンにより抑制された。生体標本を用いた検討でも同様の結果が得られ、神経障害性疼痛ではシナプス応答においてNMDA受容体の関与が増大していることが明らかになった。
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