研究課題/領域番号 |
23592282
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
土井 松幸 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (10155616)
|
キーワード | 光テクノロジー / ブドウ糖濃度測定 |
研究概要 |
平成24年度は,平成23年度に継続してブドウ糖検出センサー素材を検索する基礎情報を得るために以下の研究を実施した。ブドウ糖検出センサー素材として,ブドウ糖結合タンパク,ブドウ糖ガラクトース結合タンパク,ヘキソキナーゼ水溶液をアガロースにてゲル化した物質を作成した。3種類の物質がブドウ糖と反応した際の蛍光特性,蛍光強度の濃度依存性,蛍光強度の時間的安定性についてデータを収集した。3種類の物質とも蛍光を発するものの,生理的濃度のブドウ糖との反応で十分な強度の蛍光を発生させることが困難であった。蛍光特性に優れた新たな候補物質を追加して検討することが必要となった。 ブドウ糖検出センサーの検索に平行して,光ファイバーカテーテルのデザインの検討を継続して実施した。ブドウ糖検出センサー装着光ファイバー内蔵カテーテルの設計を作成した。光ファイバーカテーテルの先端の形状とセンサーの装着方法の基本デザインを作図した。また励起光を送る入光ファイバーと蛍光を伝達する受光ファイバーの配置もあわせて検討し候補となる3種類の配列の優劣を検討した。入光ファイバーと光源,受光ファイバーと蛍光検出器との接続部である光カプラの形状も検討し,基本となる構成図を作成した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ブドウ糖検出センサー素材の検討に2年間を費やしたが,目標とする性能を示す物質を作成することに成功していない。今年度は,この遅れを取り戻すように努めたい。
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度は平成24年度の研究計画を継続し,ブドウ糖検出センサー素材の検討を進める計画である。平成24年度に検討した物質では,蛍光強度が不十分であることが明らかとなったので,近年開発が進められているボロン酸化合物を対象として研究を実施する予定である。 光ファイバーカテーテルのデザインの検討を継続するとともに,光源と蛍光検出器の作成にも当初の計画どおり着手する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
本研究計画でもっとも経費を必要とするのは,測定装置の試作であるが,平成24年度は測定装置の設計が完了せず部品を購入できなかったために一部の予算を平成25年度に持ち越すことになった。平成25年度は測定装置の主要部分である光源と蛍光検出器の部品の購入に平成24年度研究費の残額を使用する予定である。またブドウ糖検出センサーの試薬の購入にも引き続き研究費を使用する予定である。
|