研究課題/領域番号 |
23592283
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
張 尓泉 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30456727)
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研究分担者 |
丸山 一男 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20181828)
丸山 淳子 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (50263017)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 |
研究概要 |
高一回換気量による人工呼吸は、人工呼吸器誘発肺損傷(Ventilatior-Induced Lung Injury, VILI)を引き起こす。ラットに低一回換気量(6ml/Kg)と高一回換気量(35ml/Kg)の条件で2時間人工呼吸管理し、(1)低一回換気量群(6ml/Kg)、(2)高一回換気量群(35ml/Kg)+硫化水素ナトリウム(NaHS)(-)、(3)高一回換気量群+NaHSを3mg/Kg1回腹内投与、(4)高一回換気量群+NaHSを3mg/Kgを30分毎で2回腹内投与、(5)高一回換気量群+NaHSを1mg/Kg/時で持続腹内投与、30分毎に血液ガスを測定し、肺水分量、肺組織Evans blue量を測定した。SDラットに高一回換気量の人工呼吸管理でVILIを起こす換気条件を証明できた。硫化水素ナトリウム(NaHS)を1回と2回の腹内投与実験では肺水腫の抑制と酸素化が高一回換気量群+ NaHS(-)群と差を認めなかった。一方、硫化水素ナトリウム(NaHS)持続腹内投与した群は酸素化が良かった。ウエスタンブロットの結果では高一回換気量群のCystathionine β-synthase (CBS)が低一回換気量群より明らかに高くなった。eNOSとp-eNOSタンパク質は高一回換気量群が低一回換気量群より低くなった。CBS,eNOS,p-eNOSなどタンパク質がVILIで変化があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SDラットでは高一回換気量人工呼吸管理により肺水分量、肺透過性、肺動脈血圧が上昇し、肺酸素化が低下した。人工呼吸の条件(高一回換気量、高気道内圧)がよくないと、人工呼吸そのものにより人工呼吸器誘発肺損傷(Ventilatior-Induced Lung Injury, VILI)が発生する。ラットで高一回換気量ではVILIモデルができたことが分かった。硫化水素ナトリウム(NaHS)1回または2回の腹内投与実験では肺水腫の抑制と肺酸素化が不十分であったため、投与法を持続腹内投与法に変更したところ、酸素化は改善した。VILI発生に対するH2S持続投与法はVILIを抑制するが効果がある模様だが、さらに実験数を増やす必要ある。Cystathionine β-synthase (CBS)発現は高一回換気量群では低一回換気量群より上昇したことが確認できた。p-eNOSとeNOSタンパク質の発現は高一回換気量群では低一回換気量群より低下したことが確認できた。iNOSとCystathionine γ-lyase (CSE)のタンパク質について抗体が見つからないので、real-time PCRでメッセンジャ-RNAで検討する。
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今後の研究の推進方策 |
(1)硫化水素ナトリウム(NaHS)の持続腹内投与法は高一回換気量群の肺透過性を抑制し、肺酸素化を改善した。今後は、さらに実験数を増やす必要ある。(2)Cystathionine β-synthase (CBS)、eNOSとp-eNOSタンパク質の変化により、VILIの発生がCBS,eNOSとp-eNOSになんかの関連があるので、今後の実験において確実にする。(3)TNF-INF- IL-6,IL-1IL-8などサイトカインについて調べる。(4)PCR法でeNOS, iNOS, IL-6などについて調べる。(5)eNOS,p-eNOS,CBSに対するH2Sの影響を検討する。(6)高一回換気量+エンドトキシン投与により人工呼吸管理に対するH2Sの効果を調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)ラットの購入と飼育。(2)試薬、血液ガス測定用のカートリッジなど。(3)抗体とPCR用試薬。
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