研究課題/領域番号 |
23592283
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
張 尓泉 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30456727)
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研究分担者 |
丸山 一男 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20181828)
丸山 淳子 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (50263017)
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キーワード | 国際情報交流 |
研究概要 |
高一回換気量による人工呼吸は、人工呼吸器誘発肺損傷(Ventilatior-Induced Lung Injury, VILI)を引き起こす。ラットに低一回換気量(6ml/Kg)と高一回換気量(35ml/Kg)の条件で2時間人工呼吸管理し、①低一回換気量群(6ml/Kg)、②高一回換気量群(35ml/Kg)+硫化水素ナトリウム(NaHS)(-)、③高一回換気量群+NaHSを3mg/Kg1回腹内投与、④高一回換気量群+NaHSを3mg/Kgを30分毎で2回腹内投与、⑤高一回換気量群+NaHSを1mg/Kg/時で持続腹内投与、30分毎に血液ガスを測定し、肺水分量、肺組織Evans blue量を測定した。SDラットに高一回換気量の人工呼吸管理でVILIを起こす換気条件を証明できた。硫化水素ナトリウム(NaHS)を1回と2回の腹内投与実験では肺水腫の抑制と酸素化が高一回換気量群+ NaHS(-)群と差を認めなかった。一方、硫化水素ナトリウム(NaHS)持続腹内投与した群は酸素化が良かった。ウエスタンブロットの結果では高一回換気量群のCystathionine β-synthase (CBS)が低一回換気量群より明らかに高くなった。eNOSとp-eNOSタンパク質は高一回換気量群が低一回換気量群より低くなった。CBS,eNOS,p-eNOSなどタンパク質がVILIで変化があった。IL-1a, IL-6, TNF-a, MIP-2など炎症性サイトカインとiNOS遺伝子レベルは高一回換気量換気群のほうが増加している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SDラットでは高一回換気量人工呼吸管理により肺水分量、肺透過性、肺動脈血圧が上昇し、肺酸素化が低下した。人工呼吸の条件(高一回換気量、高気道内圧)がよくないと、人工呼吸そのものにより人工呼吸器誘発肺損傷(Ventilatior-Induced Lung Injury, VILI)が発生する。ラットで高一回換気量ではVILIモデルができたことが分かった。硫化水素ナトリウム(NaHS)1回または2回の腹内投与実験では肺水腫の抑制と肺酸素化が不十分であったため、投与法を持続腹内投与法に変更したところ、酸素化は改善した。VILI発生に対するH2S持続投与法はVILIを抑制するが効果がある模様だが、さらに実験数を増やす必要ある。Cystathionine β-synthase (CBS)発現は高一回換気量群では低一回換気量群より上昇したことが確認できた。p-eNOSとeNOSタンパク質の発現は高一回換気量群では低一回換気量群より低下したことが確認できた。持続投与法で、①低一回換気量+生理食塩水腹内投与、②高一回換気量+生食腹内投与、③高一回換気量+硫化水素ナトリウム100ug/1時間腹内投与、④高一回換気量+硫化水素ナトリウム3000ug/1時間腹内投与、合わせて4グループ3つずつ肺組織サンプルを取った。IL-1a、 IL-6など炎症性サイトカインの結果では高一回換気量で上昇し、硫化水素ナトリウムの投与による変化なかった。TNF-a, INF-r, IL-6,IL-1b,IL-8など炎症性サイトカインは、高一回換気量による上昇したが、IL-1a, IL-6が高一回換気量+NaHS 3mg/kg群では高一回換気群より低下した。
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今後の研究の推進方策 |
①硫化水素ナトリウム(NaHS)の持続腹内投与法による高一回換気量群の肺透過性を抑制し、肺酸素化を改善について実験数を増やし、タンパク質と遺伝子mRNAの検討する。②TNF-a,INF-r,IL-6,IL-1b,IL-8など炎症性サイトカインについて詳しく調べる。③PCR法でeNOS, iNOS, IL-6などについて調べる。④活性酸素はVILIモデルに対する役割を調べる。④高一回換気量+エンドトキシン投与により人工呼吸管理に対するH2Sの効果を調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
①ラットの購入と飼育。②試薬、血液ガス測定用のカートリッジなど。③抗体とPCR用試薬。
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