研究課題/領域番号 |
23592288
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
持田 晋輔 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (70403433)
|
研究分担者 |
松浦 達也 鳥取大学, 医学部, 教授 (00199746)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | Nrf2 / 急性肺傷害 / ポリフェノール / エンドトキシン / マクロファージ |
研究概要 |
手術後の敗血症に起因する急性肺傷害をはじめとする臓器障害は、生命予後に大きな影響を及ぼすとされており、これらの予防は重要な課題とされている。本研究は、転写因子Nrf2活性化による急性肺傷害の保護に関する研究で、より安全にNrf2を活性化するために食品成分を対象に活性化成分をスクリーニングした。予備実験で一部のポリフェノールにNrf2活性化能が認められたことより、主に食品ポリフェノールのNrf2活性化能について、RAWマウスマクロファージ細胞を用いて網羅的に検索した。Nrf2はTNF-α、IL-1β、COX-2、iNOSなどの炎症性サイトカインやメディエーターの抑制に関与することが報告されているので、食品に含まれる各種ポリフェノールについて、リポポリサッカライド(LPS)によるRAW細胞活性化に対する抑制効果をNO産生抑制効果により調べた。Curcumin (10 μM)、クロロゲン酸(100 μM)、 Hesperidin (100 μM)、 Rutin (100 μM)、 Stigmasterol (10 μM)をRAW細胞に添加2時間後、10 ng/ml LPSを添加し、24時間保温後、培養上清中のNO量を測定した。CurucuminはLPS単独添加により増加したNO量を53%抑制した。クロロゲン酸、Rutin、 Stigmasterolはそれぞれ30%、 40%、 24% NO増加を抑制した。Hesperidinは5%の抑制しか見られなかった。Nrf2によって発現が増加するヘムオキシゲナーゼ-1 (HO-1)をウエスタンブロッティングで測定したところ、Curucuminにより、HO-1発現増強が認められた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一部ポリフェノールについてはHO-1発現に対する効果を検討したが、その他のポリフェノールについては検討できなかった。この点が不十分と考えられる。現在、他のポリフェノールについてもHO-1発現に対する効果を検討中である。
|
今後の研究の推進方策 |
平成23年度に一部ポリフェノールがNrf2を活性化することが間接的に証明された。今後は、in vitro, in vivoのNrf2レポーターアッセイシステムを構築してポリフェノールのNrf2活性化を直接証明する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度と同様に培養細胞を用いた検討に加え、マウスを用いた実験も計画しているので、動物飼育関連の費用を設定する。
|