研究課題/領域番号 |
23592290
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
佐藤 健治 岡山大学, 大学病院, 准教授 (70359884)
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研究分担者 |
五福 明夫 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (20170475)
西江 宏行 岡山大学, 大学病院, 助教 (20379788)
賀来 隆治 岡山大学, 大学病院, 助教 (50444659)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 認知科学 / バーチャルリアリティ / 医療・福祉 |
研究概要 |
我々はバーチャルリアリティ(VR)を応用した鏡治療を平成17/18年度科学研究費(萌芽研究)で開発し、難治性疼痛患者での鎮痛効果を確認した。当該研究は、難治性疼痛患者が世界中から我々のバーチャルリアリティ鏡治療(VRMVF)にインターネットを介してアクセスし鎮痛を得るものである。23年度は、患者が遠隔地から入力するツールとしてのインターフェース開発、世界中からの双方向型のアプリケーションも処理可能なサーバ開発、そして膨大な患者データを解析するプログラム開発を柱としていた。現在岡山大学病院に固定設置しているVRMVF治療システムでは、患者治療時の動作データを保存することができない。当該研究の遂行には、治療時の患者動作をデータとして保存することが必須となる。本年度の研究成果としては、世界中からアクセスした患者の治療時の動作データをCSVファイルとして保存し、通信プロトコルTCPを用いてインターネットを通じて患者CSVファイルをサーバに送り、サーバ上のデータベース管理ソフトのMySQLを用いてデータベースにデータを保存するシステムを開発したことが挙げられる。またサーバ開発にあわせて、既存VRMVFのバーチャル環境(VE)の刷新を図った。具体的には掴む対象物の種類を増やし、またその衝突や回転などは物理エンジンとしてHavok physics(havok社)を使用することでVE内の物体の動きがより自然となった。手のモデルも前システムでは手を複数のオブジェクトで作成しそれを重ねて表示することで手を動かしていが、当該研究のためワンスキンモデルに変更した。またVE内の影や物体を掴む動作もより自然となった。サーバ開発に伴ったVRMVFシステムの改良により、インターネットを介する動作環境が改善することが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
23年度の研究目的の達成度は(3)やや遅れていると自己評価する。理由としては、23年度に予定した開発の3つの柱のうち、「患者が遠隔地から入力するツールとしてのインターフェース開発」と「膨大な患者データを解析するプログラム開発」が予定通りに進捗しなかったためである。しかし当該研究遂行のため最も重要な柱となる、世界中からの双方向型のアプリケーションも処理可能なサーバ開発は終了しており、また既存MVFシステムはバーチャルリアリティ専門業者に委託してシステムを構築していたが、今回は遠隔地から入力を可能とする簡易型インターフェース開発を行った同じ研究分担者がVRMVFシステムの基幹プログラムを刷新したため、当該研究での簡易型インターフェースの全体システムへの実装も汎用性が高まると期待される。
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今後の研究の推進方策 |
24年度以降は23年度に開発したシステムを用いて、遠隔地からインターネットを介して治療を実施し、そのデータを蓄積・解析する予定である。しかし24年度の研究計画は23年度のシステム完成無くしては実施が不可能であり、まず23年度予定した当該研究計画の未実施の部分である、「患者が遠隔地から入力するツールとしてのインターフェース開発」と「患者データを解析するプログラム開発」の完成を急ぐ。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究計画の進捗状況の遅れのため、24年度に繰り越した研究費はその目的どおり24年度に使用する。患者データ解析プログラムの開発に関しては23年度にデータマイニング処理が可能なソフトを購入しており、24年度は更にプログラミングを進めていく。特にインターネットを介した治療については、まずVRMVF治療システムが固定設置されている岡山大学病院から当該研究分担者の一人である五福の研究室(工学へインターネット回線を介してデータの送信・受信の実証実験を行う。まず岡山大学病院でVRMVF治療を受けている患者群のデータ送信と収集を開始し、順次その対象地域を拡大していく予定である。24年度後半にはインターネットを介した遠隔VRMVF治療システムについて、まず学会・研究会などで報告を目指す。研究費も成果発表活動に使用予定である。
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