研究課題
1)機能的健康状態回復に及ぼす影響の比較検討ビデオ補助下胸部手術術後患者において,胸部硬膜外麻酔(Epi)と胸腔鏡補助下肋間神経ブロック+経静脈的患者自己鎮痛法の鎮痛効果と合併症発症率などを後方視的に比較検討した:手術翌日の安静時痛強度に差はなかったが,体動時痛抑制効果はEpiの方が優れていた。手術翌日の悪心嘔吐頻度もEpiの方が低かった。日帰り予定で全身麻酔下に電気痙攣療法(ECT)を施行された患者の回復について後方視的に検討した:重篤な合併症を生じ予定外入院となった例はなかった。精神症状の悪化により,帰宅後24時間以内に予定外再来院したものが0.3%あった。2)麻酔薬投与自動制御システムの開発鎮静度指標としてaepEXを用いたプロポフォール投与自動制御システムの数学的モデルを構築した:麻酔維持に要する最小効果部位濃度の当初の推定法が必ずしも適切でなかったため,推定法の改良を行なうとともに,危険回避(過剰投与および術中覚醒予防)機構を付加した。改良法の有用性をシミュレーションで確認したが,改良法ではプロポフォールの投与量が実臨床の投与量よりも多くなる傾向があるので,最小効果部位濃度の推定法や制御法についてさらなる検討を行う。心拍変動の低周波成分と高周波成分の比(LF/HF),脈波によるSurgical Stress Index(SSI)および脳波測定によるEntropy Difference(ED)を痛み度指標として用いて,オピオイド鎮痛薬レミフェンタニル投与を自動制御する制御法の予備的検討を行った:臨床データに基づいて数学的モデルを構築し,痛み度を望ましいレベル以下(LF/HF<15,SSI<45,ED<4)に保つための投与速度制御のシミュレーションを行った。痛み度の制御はおおむね良好であったが,必ずしも制御が適切に行えない場合があり,さらに改良を行う。
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